ひとつの平面に二つの趣

積翠庵・是空軒は大広間の南東に建ち、北の回遊式庭園に正対して構える。昭和25年(1950年)の竣工で、L字型の平面が二つの性格を同時にもつ。

庭園側の茅葺の部分が積翠庵、東へ延びる桟瓦葺の部分が是空軒である。一方は草庵風、他方はより改まった書院風として読め、L字の折れで結ばれている。

登録の理由と価値

2000年5月25日に登録有形文化財となり、造形の規範となる好例として評価された。その達成は結び方そのものにある。対照的な二つの茶の趣を、どちらも損なわずにひとつのまとまった建築へと束ねている。

設計者の田中泰阿弥は佐度看亭と庭園も手がけており、建物を周囲に据える同じ眼差しがここでも働いて、北に池を取り込んでいる。

庭と接するところ

この取り合わせは外から見ると分かりやすい。茅葺と瓦が平面の折れで出会い、入る前から二つの気分を告げる。内部からは、座敷が水面へと開く。

庭に点在する茶室のひとつとして、単独ではなく池や周囲の建物との関係のなかで見るのがよい。

Q&A

Q積翠庵・是空軒とは何ですか。
A昭和25年築のL字型の茶室の二つの部分で、茅葺の草庵風と桟瓦葺の書院風からなります。
Q誰が設計しましたか。
A佐度看亭や庭園も手がけた庭師田中泰阿弥です。
Q設計上の達成は。
A草庵風と書院風という異なる趣を、ひとつのまとまった建築に束ねた点です。
Qどう見るのがよいですか。
A正対する池泉庭園や、庭に点在する他の茶室との関係のなかで見るのがよいです。

基本情報

名称北方文化博物館積翠庵・是空軒
指定区分登録有形文化財(建造物)/2000年5月25日登録(登録番号 15-0090)
時代・年代昭和25年(1950年)
構造及び形式木造平屋建、茅葺一部瓦葺、建築面積41㎡
所在地新潟県新潟市江南区沢海(そうみ)
所有者一般財団法人北方文化博物館
公開状況北方文化博物館の一部として公開
開館時間9:00〜17:00(4〜11月)、9:00〜16:30(12〜3月)
入館料大人800円、小人400円(2025年時点。小・中学生は日曜・祝日無料)
アクセスJR新潟駅から車で約25分、新潟亀田ICまたは新津ICから約10分

参考文献

国指定文化財等データベース — 北方文化博物館積翠庵・是空軒
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001680
北方文化博物館 公式サイト
https://hoppou-bunka.com/
にいがた観光ナビ — 北方文化博物館
https://niigata-kankou.or.jp/spot/5559

最終更新日: 2026.07.02