北谷町うちなぁ家とは

北谷町うちなぁ家は、沖縄県中頭郡北谷町上勢頭にある沖縄の伝統的な屋敷を再現した町の施設で、明治23年(1890年)建築の旧目取真家住宅主屋と旧崎原家住宅ふーるの2件が平成24年(2012年)2月23日に国の登録有形文化財に登録された。

読みは「ちゃたんちょううちなぁや」。「うちなぁ」は沖縄の言葉で沖縄そのものを指し、「うちなぁ家」は沖縄の家という意味の名である。北谷町の観光協会は「うちなぁ屋」と書くこともある。所有と管理は北谷町で、窓口は北谷町教育委員会の文化課が務める。

施設は町の運動公園「あしびなぁ公園」の一角にあり、敷地面積は608平方メートル。北谷町うちなぁ家の中には、町内外から移してきた建物や設備が一つの屋敷として組み直されている。

北谷町うちなぁ家ができるまで

始まりは平成5年度(1993年度)にさかのぼる。北谷町字吉原(謝苅)の目取真家が家を建て替えることになり、明治23年に建ててから沖縄戦をくぐり抜けてきた赤瓦屋根の木造家屋を町に譲りたいと申し出た。町の教育委員会がこれを受け取り、解体した部材を保管したうえで、平成17年(2005年)に現在の場所へ移築・復原した。

北谷町うちなぁ家の資料によると、琉球王国では1737年に「敷地家屋の制限令」が定められ、身分に応じて屋敷の広さや部屋の畳数が決められていた。那覇の平民を除けば、平民が瓦屋根を葺くことも認められていなかった。この制限が解かれたのは明治22年(1889年)で、その翌年に建てられた目取真家の家は、庶民の家が瓦屋根へ移り始めた時期の一例にあたる。

主屋のほかにも、屋敷を構成する建物や設備が各地から集められた。豚小屋を兼ねた石造の便所「ふーる」は北谷町字玉上の旧崎原家から移され、文化庁の記録では平成18年(2006年)の移築とされる。穀物を蓄える高床の「高倉」は鹿児島県奄美市笠利町万屋から移したものである。

北谷町うちなぁ家の登録有形文化財2件

  • 北谷町うちなぁ家主屋(旧目取真家住宅主屋):明治23年(1890年)建築、平成17年(2005年)移築。木造平屋建、瓦葺、建築面積104平方メートル。登録基準は「造形の規範となっているもの」
  • 北谷町うちなぁ家ふーる(旧崎原家住宅ふーる):明治前期の築造、平成18年(2006年)移築。琉球石灰岩の石造、面積17平方メートル。登録基準は「造形の規範となっているもの」

2件は同じ日に登録され、文化庁のデータベースでは所在地はいずれも北谷町字上勢頭830-2、所有者は北谷町である。高倉、サーター車(さとうきびの圧搾機)、井戸、ヒンプンなど敷地内のほかの建物や設備は登録の対象に含まれていない。

北谷町うちなぁ家の屋敷の構え

北谷町うちなぁ家の敷地は石垣で囲まれ、南の門を入ると正面にヒンプンが立つ。ヒンプンは門と主屋の間に置く目隠しの塀で、外から家の中が見通せないようにする役目と、魔物の侵入を防ぐという信仰上の役目を併せ持つ。その奥に赤瓦の主屋が南を向いて建つ。

町のリーフレットに載る配置図では、主屋は敷地の中央やや北寄りに建ち、西端に台所を含む。敷地の西側には北から順に、ふーる、家畜小屋の跡とサーター車、菜園、井戸が並び、門を入って左手に茅葺の高倉が立つ。東側には離れの「アシャギ」の位置が示されている。門からヒンプンを回って主屋の前に出たあと、左手の高倉と井戸を見ながら西側を北へ進むと、いちばん奥にふーるがある。

リーフレットの解説によると、南向きの屋敷ではふーるを西北の隅に設け、井戸は火の神と向き合う位置を避けて掘るといった決まりごとがあった。北谷町うちなぁ家は、主屋1棟を見せるだけでなく、そうした屋敷全体の配置を一度に見渡せるように組まれている。

北谷町うちなぁ家への行き方と見学

北谷町うちなぁ家は、北谷町上勢頭のあしびなぁ公園の中にある。町の案内では、車の場合は国道58号から県道23号線(国体道路)に入り、最初の歩道橋の先を左に折れる。駐車場は北谷町うちなぁ家専用のものはなく、あしびなぁ公園の駐車場を使う。2026年の地元メディアの紹介では、公園の駐車場は15台分である。公共交通での行き方は町の案内に載っていない。

開館時間は午前9時から午後5時まで。休館日は月曜日、火曜日、祝日、6月23日(慰霊の日)、12月29日から翌年1月3日までで、土曜日と日曜日は開いている。見学は無料である。主屋には靴を脱いで上がることができ、座敷には昔の生活道具や三線が置かれている。

団体での見学や、見学以外の目的で使う場合は、1〜2週間前を目安に北谷町教育委員会文化課へ使用許可申請書を出す必要がある。学校の授業で訪れる場合も事前に連絡するよう案内されている。撮影の可否について町の公式な案内は見当たらない。問い合わせ先は北谷町教育委員会文化課(電話098-936-3159)である。

参考文献

国指定文化財等データベース「北谷町うちなぁ家主屋(旧目取真家住宅主屋)」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009246
国指定文化財等データベース「北谷町うちなぁ家ふーる(旧崎原家住宅ふーる)」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009247
北谷町うちなぁ家主屋(旧目取真家住宅主屋)(文化遺産オンライン)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/254809
北谷町うちなぁ家ふーる(旧崎原家住宅ふーる)(文化遺産オンライン)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/248540
北谷町うちなぁ家(北谷町公式ホームページ 施設案内)
https://www.chatan.jp/shisetsu/bunka_kyoyo/uchinaya.html
うちなぁ家(北谷町公式ホームページ 指定・登録文化財)
https://www.chatan.jp/haisai/rekishi/bunkazai/shitei_toroku/uchinaake.html
北谷町うちなぁ家リーフレット(表面)(北谷町教育委員会)
https://www.chatan.jp/haisai/rekishi/bunkazai/shitei_toroku/uchinaake.files/102utinateisei.pdf
北谷町うちなぁ家リーフレット(中面)(北谷町教育委員会)
https://www.chatan.jp/haisai/rekishi/bunkazai/shitei_toroku/uchinaake.files/35utinanaka.pdf
うちなぁ家(北谷町観光協会)
https://chatantourism.com/spot/uchina-ya/
アクティブ遊具と古民家を親子で楽しむ「あしびなぁ公園」(OKITIVE、沖縄テレビ放送、2026年3月)
https://www.otv.co.jp/okitive/article/97498/

最終更新日: 2026.10.05

基本情報

名称北谷町うちなぁ家
所在地沖縄県中頭郡北谷町字上勢頭830-2
所有者北谷町
指定登録有形文化財 2件
座標26.32781, 127.76832