ヒンプンとは

ヒンプンは、沖縄の屋敷で、門を入った正面、門と主屋の間に独立して立てる塀である。道から主屋の中が直接見えないようにする目隠しで、屋敷の内と外を仕切る役目も果たす。海洋博公園おきなわ郷土村の解説は、外から魔が入るのを防ぐまじないの意味ももつとし、中国の塀風門の形式を沖縄化したものといわれると紹介している。

門から入る人はヒンプンに突き当たり、その左右を回り込んで主屋の前に出る。屋敷を囲む石垣と組になって、沖縄の伝統的な屋敷構えをつくる要素である。

登録有形文化財には石造のヒンプンが多く、構造欄には「石造、延長3.6m」のように材と長さが記される。竹富町小浜の大盛家住宅ヒンプン(大正4年)は長さ6メートル、高さ1.6メートルで、サンゴ石灰岩の切石を空積にし、上部を屋根形に造って半円断面の石で棟を表している。

見るときの手がかり

ヒンプンの記録は、石材と積み方を細かく書く。石材はほとんどが琉球石灰岩で、記録には「サンゴ石灰岩」「港川産の粟石」とも書かれる。積み方は、目地を水平に通す布積、モルタルを使わない空積などが記される。

沖縄市立ふるさと園の旧久場家住宅ヒンプン(大正13年)は、港川産の粟石を比較的大きく切り出して4段の布積にし、高さ1.7メートル、幅4.6メートル、厚さ20センチである。文化庁はこれを石造の典型的なヒンプンとしている。八重瀬町の屋宜家住宅ヒンプン(昭和27年)は、3メートル近い長い石材を5段に積む。

現地では、門の正面に立って主屋が見えるかどうかを確かめるとよい。塀が視線をちょうど遮る位置と高さにあることがわかる。上部を屋根形に仕上げたもの、平らに積み終えたものなど、頂部の扱いにも違いがある。

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)大盛家住宅ヒンプン
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005698
国指定文化財等データベース(文化庁)屋宜家住宅ヒンプン
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007950
国指定文化財等データベース(文化庁)沖縄市立ふるさと園旧久場家住宅ヒンプン
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008801
国営沖縄記念公園(海洋博公園)おきなわ郷土村 沖縄の民家はここが違う
https://oki-park.jp/kaiyohaku/inst/80/83

最終更新: 2026.10.04