屋宜家住宅ヒンプンとは

屋宜家住宅ヒンプンは、沖縄県島尻郡八重瀬町字大頓にある昭和27年(1952年)築造の琉球石灰岩の目隠し塀で、平成21年(2009年)11月2日に国の登録有形文化財に登録された。

読みは「やぎけじゅうたくひんぷん」。ヒンプンは、沖縄の屋敷で門の内側、主屋の正面に立てる独立した塀をいう。文化庁の記録では石造、延長3.6メートル、員数は1基。同じ屋敷の主屋・アサギ・井戸・石垣とともに登録された5件の一つで、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

屋宜家住宅ヒンプンの石積み

文化庁の解説によると、屋宜家住宅ヒンプンは主屋の南方に立つ。石は町内の港川で採れる琉球石灰岩で、四角く切り整えた石を基礎石の上に5段積み上げ、高さは1.6メートル、長さ3.6メートル、厚さ24センチメートルを測る。

各段は2枚か3枚の石だけで組まれ、なかには長さ3メートル近い石材もある。屋宜家の案内は、上の2段では石どうしをカギ状に組み合わせていると説明する。解説は、重厚で沖縄らしい屋敷構えをつくるヒンプンと評している。

厚さ24センチメートルに対して高さが1.6メートルあり、屋宜家住宅ヒンプンは石の板を立て並べたような薄く背の高い姿をしている。長い石を少ない枚数で積むことで、目地の少ない平らな面が生まれている。

屋宜家住宅ヒンプンの役割

屋宜家の案内によると、ヒンプンの名は中国語で屏風を意味する言葉に由来するといわれる。主屋の真正面に置き、外から家の中が見えないよう目隠しにするとともに、邪気が入り込むのを防ぐ。沖縄では魔物は曲がるのが苦手でまっすぐ進んでくると考えられ、ヒンプンはそれを跳ね返すものとされてきた。

出入りの作法にも関わっていた。屋宜家によれば、昔は男性がヒンプンの右側を、女性が左側を通って屋敷に入った。右側は客間の一番座へ、左側は台所へいちばん近い道筋だったからである。いまはこうした通り分けを気にすることはなくなったという。

屋宜家住宅主屋には玄関がなく、ヒンプンを回り込むとすぐに縁側と座敷が現れる。ヒンプンを抜ければもう家の中だという屋宜家の説明は、この配置をよく言い表している。

屋宜家住宅ヒンプンの見どころ

正面に立ったら、1段ごとの石の枚数を数えてみたい。2枚か3枚で1段が通り、長い石は3メートル近くある。文化庁の解説が特筆するのも、こうした長い切石の使い方である。

上の2段では、石の継ぎ目に注目したい。屋宜家が説明するカギ状の組み合わせは、石どうしを噛み合わせて組んだ部分で、目地の形をたどると下の3段との違いが見えてくる。

石垣との高さの違いも見ておきたい。敷地の南辺を囲む石垣が高さ1.3メートルなのに対し、屋宜家住宅ヒンプンは1.6メートルあり、大人の目の高さに近い。目隠しとして働くのに十分な高さである。

屋宜家住宅ヒンプンの見学方法

屋宜家住宅ヒンプンは個人の屋敷の中、石垣の通路を入った先にあり、「沖縄そばと茶処 屋宜家」を利用する人は、店に向かう途中でその脇を通る。両側どちらからでも回り込めるので、右と左のそれぞれから主屋へ向かう道筋の違いを確かめられる。

ヒンプンに寄りかかったり、上に物を置いたりしないこと。営業時間外や定休日には敷地に入らないようにしたい。撮影についての公式の案内はないため、ほかの客が写り込まないよう配慮したい。

Q&A

Q屋宜家住宅ヒンプンの大きさはどれくらいですか?
A高さ1.6メートル、長さ3.6メートル、厚さ24センチメートルです。基礎石の上に港川産の琉球石灰岩を5段積んでいます。
Q屋宜家住宅ヒンプンにはどのような役割がありますか?
A外から主屋の中が見えないようにする目隠しで、まっすぐ進む魔物を跳ね返す魔除けともされてきました。屋宜家によると、昔は男性が右側、女性が左側を通って屋敷に入りました。
Q屋宜家住宅ヒンプンの石積みの特徴は何ですか?
A各段が2枚か3枚の石だけで組まれ、3メートル近い長い石材が使われている点です。屋宜家の説明では、上の2段は石をカギ状に組み合わせています。
Q屋宜家住宅ヒンプンはいつ築かれ、いつ登録有形文化財になりましたか?
A昭和27年(1952年)に築かれ、平成21年(2009年)11月2日に登録有形文化財に登録されました。登録番号は47-0074です。
Q屋宜家住宅ヒンプンはいつでも見られますか?
A個人の屋敷の中にあるため、見られるのは「沖縄そばと茶処 屋宜家」の営業時間内に店を利用するときです。入店は午前11時から午後3時まで、火曜日と1月1日は定休日です。

基本情報

名称屋宜家住宅ヒンプン(やぎけじゅうたくひんぷん)
所在地沖縄県島尻郡八重瀬町字大頓1172
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成21年(2009年)11月2日登録
員数1基
寸法長さ3.6メートル、高さ1.6メートル、厚さ24センチメートル
所有者個人(文化庁データベースに所有者名の記載なし)
公開状況個人の屋敷内。「沖縄そばと茶処 屋宜家」の営業時間内に利用者として見学可(火曜日・1月1日定休)

参考文献

国指定文化財等データベース「屋宜家住宅ヒンプン」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007950
屋宜家住宅ヒンプン(文化遺産オンライン)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/140444
屋宜家 STORY 3(屋宜家公式サイト)
https://www.ne.jp/asahi/to/yagiya/story3.html
屋宜家 STORY 4(屋宜家公式サイト)
https://www.ne.jp/asahi/to/yagiya/story4.html
屋宜家 STORY 5(屋宜家公式サイト)
https://www.ne.jp/asahi/to/yagiya/story5.html
予約について・営業時間(屋宜家公式サイト)
https://www.ne.jp/asahi/to/yagiya/yoyaku.html

最終更新日: 2026.10.03