川本家住宅とは

川本家住宅は、大阪府茨木市上泉町にある商家の住宅で、昭和3年(1928年)の店舗兼主屋、昭和16年(1941年)の離れ、昭和前期の倉庫の3棟が、平成26年(2014年)4月25日に国の登録有形文化財に登録された(文化庁)。登録番号は27-0580から27-0582の連番で、3棟とも個人の所有である(茨木市)。

茨木市によれば、川本家は江戸時代中期に藍染を生業とする「福嶋屋」を営んだのが始まりで、のちに米問屋を経て、明治5年(1872年)からは日用品の卸問屋として商いを続けてきた。茨木市内の登録有形文化財としては2例目にあたる。

文化庁は、近世以来商工業の拠点として栄えた茨木の面影を伝える建物群として、3棟を「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録している。

3棟の配置

店舗兼主屋は通りに東面して建つ間口六間の町家で、2階の正面を黒漆喰で塗り、両端に袖壁を張り出す(文化庁)。その後ろに渡廊下でつながるのが離れ、敷地の西奥に南北棟で建つのが倉庫である。

3棟を一本に結ぶのが、店舗兼主屋の通り土間から倉庫まで延びるトロッコのレールである(文化庁)。店先で受けた品をそのまま奥の倉庫へ運ぶ、卸問屋の仕事の流れが敷地の配置にそのまま表れている。茨木市は、別棟の書院の贅を尽くした造作とあわせ、川本家住宅を上方の商家の形式を発展させた優れた近代和風建築としている。各棟の構造は、それぞれのページで扱っている。

いまの使われ方

茨木市の平成27年(2015年)の広報によれば、川本家住宅は創業から一貫して店舗と当主の住まいを兼ねてきた。当時は10代目当主の管理のもとで骨董屋・カフェ・ギャラリーとして使われ、令和4年(2022年)の広報でもイベントスペースとして活用されることがあると紹介されている。建物で営む福嶋屋(川本本店)は、昭和初期の古民家を催しの場として貸し出す案内を出している。

見学について

川本家住宅は個人の住まいで、常時の公開は行われていない。店舗兼主屋の外観は前の通りから見られるが、離れと倉庫は敷地の奥にあり、通りからは見えない。内部に入れるのは催しなどの機会に限られるため、訪ねる前に福嶋屋の案内で予定を確かめてほしい。

所在地は茨木市上泉町6-29(住居表示)で、文化庁の記録上の所在地は上泉町1167である。福嶋屋の案内では、阪急茨木市駅、JR茨木駅のいずれからも徒歩10〜15分ほどで、茨木市立川端康成文学館の近くにある。

参考文献

川本家住宅店舗兼主屋(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010004
川本家住宅離れ(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010005
川本家住宅倉庫(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010006
文化財めぐり Vol.109 川本家住宅(広報いばらき 平成27年6月号、茨木市)
https://www.city.ibaraki.osaka.jp/koho/kohohtml/1506/06/21.html
特集 まちを歩けば歴史にあたる!(広報いばらき 2022年10月号、茨木市)
https://www.city.ibaraki.osaka.jp/koho/kohohtml/2210/10/01.html
茨木市内の指定等文化財(茨木市歴史文化財課)
https://www.city.ibaraki.osaka.jp/kikou/kyoikuiinkaikyoikusoumu/rekibun/rekishibunkazai_jigyou/bunkazai_kinenbutsu/1442213096989.html
福嶋屋・川本本店(福嶋屋)
https://fukushimaya.jimdofree.com/

最終更新日: 2026.11.06

基本情報

名称川本家住宅(茨木市)
所在地大阪府茨木市上泉町1167
所有者個人
指定登録有形文化財 3件
座標34.82330, 135.57193