燃料店を営んだ家の店舗兼住居

奥山家住宅主屋は、大阪府大阪市西淀川区姫島にある昭和3年(1928年)建築の店舗兼住宅で、平成16年(2004年)6月9日に国の登録有形文化財となった。登録番号は27-0288。

燃料店を営んだ奥山家の店舗兼住居で、表通りに南を向いて建つ。木造2階建、瓦葺で、建築面積は82平方メートル。燃料店は一般に、薪や炭、のちには練炭や石油などを商った店で、都市の暮らしを支える身近な商いであった。

住居・店舗・倉庫を一列に並べる

奥山家住宅主屋は、東から住居・店舗・倉庫の順に並べた横長の構成をとる。このうち東端の住居部分だけを2階建とし、店舗と倉庫は平屋の高さにとどめる。通りに向かって、用途の違う3つの部分が一続きの正面を形づくっている。

正面の意匠には洋風の工夫が凝らされている。各部で高さを変えたパラペットを立ち上げ、屋根を隠して陸屋根のように見せる。構造の記録では屋根は瓦葺なので、パラペットの背後には勾配のある瓦屋根が隠れていることになる。

外壁はスクラッチタイル張りとする。表面に櫛で引っかいたような細い溝を刻んだタイルで、大正末から昭和初期にかけて好んで用いられた。庇もコーニス風に造り、西洋建築の軒蛇腹を思わせる水平線を正面に通している。

登録の理由

奥山家住宅主屋は、登録基準のうち「造形の規範となっているもの」に該当するとされた。文化庁の解説は、洋風の意匠に腐心した点を評価している。

木造の町家に洋風の正面を与える手法は、昭和初期の都市の商店に広く見られた。奥山家住宅主屋は、パラペットの高さを部位ごとに変え、住居・店舗・倉庫という内部の区分を正面の輪郭に表している点で、単に表を飾っただけの建物とは一線を画している。

見どころ

奥山家住宅主屋を見るときは、まず通りの向かい側から正面全体を眺めたい。東端の2階建部分、中央の店舗、西の倉庫と、パラペットの頂部が段を刻みながら続く輪郭がつかめる。

次に近づいて外壁のスクラッチタイルを見る。細い溝の陰影は、斜めから光が当たる朝夕に最もはっきりする。コーニス状の庇がつくる水平の影と、タイル面の細かな縦筋の対比も見どころである。

見学について

奥山家住宅主屋は個人の住宅で、内部は公開されていない。2026年9月時点で公開行事の案内は確認できなかった。外観は南側の公道から見ることができるが、敷地には立ち入らず、住人の生活に配慮して短時間で済ませたい。撮影についても公式の案内はないため、窓や出入口を狙うような撮り方は控えたい。

最寄り駅は阪神本線の姫島駅で、地図上では駅から直線で300メートルほどの距離にあり、徒歩数分で着く。周辺は住宅と町工場が混じる地域で、見学者向けの駐車場はない。

Q&A

Q奥山家住宅主屋は見学できますか?
A個人の住宅のため内部は公開されていません。外観は南側の公道から見ることができます。2026年9月時点で公開行事の案内は確認できませんでした。
Q奥山家住宅主屋はいつ建てられましたか?
A昭和3年(1928年)の建築です。
Q奥山家住宅主屋はどんな建物ですか?
A燃料店を営んだ家の店舗兼住居で、東から住居・店舗・倉庫を一列に並べ、東端の住居部分を2階建とします。高さを変えたパラペット、スクラッチタイル張りの外壁、コーニス状の庇など洋風の意匠を持ちます。
Q奥山家住宅主屋が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成16年(2004年)6月9日で、登録番号は27-0288です。「造形の規範となっているもの」に該当するとされました。
Q奥山家住宅主屋への行き方は?
A阪神本線の姫島駅が最寄りで、地図上の直線距離は300メートルほどです。見学者向けの駐車場はありません。

基本情報

名称奥山家住宅主屋
所在地大阪府大阪市西淀川区姫島1-13-1、2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成16年(2004年)6月9日登録
員数1棟
寸法建築面積82平方メートル、木造2階建
所有者個人
公開状況非公開(外観は公道から)

参考文献

国指定文化財等データベース 奥山家住宅主屋(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004145
文化遺産オンライン 奥山家住宅主屋
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/150755

最終更新日: 2026.09.26