北を向いて建つ田中家住宅主屋

田中家住宅主屋は、大阪府松原市南新町にある庄屋層の大型農家の主屋で、平成21年(2009年)4月28日に登録有形文化財に登録された。文化庁のデータベースは天保年間(1830〜1844年)頃の建築とし、平成19年(2007年)に移築されたと記す。

通りの西側を占める敷地の中央に北面して建ち、建築面積は247平方メートル。入母屋造の瓦葺で、周囲に下屋庇をまわし、南側に角屋を付ける。木造のつし二階建である。

宝永6年の普請文書と天保の改造

建築年代については、資料の間に違いがある。松原市は、宝永6年(1709年)の普請関係の文書から主屋がこの年に建てられたことが分かるとし、さらに天保年間に屋根を茅葺から瓦葺に改め、つし二階を設けたと説明している。文化庁が天保年間頃とするのは、この改造後の姿を基準にしているためとも考えられるが、データベースに理由は書かれていない。本記事では両方を示しておく。

田中家住宅主屋は「造形の規範となっているもの」として登録された。文化庁の解説は、太い材の差物で軸部を固めるなど、近世の大規模な農家建築の面影をとどめる点を評価している。

大戸口と太い差物

平面は東寄りに大戸口を開いて土間を設け、西側に仏間などの床上部を置く。大戸口は農家の正面に設ける大きな出入口で、収穫物や農具の出し入れに使うのが一般的である。

田中家住宅主屋の見どころは、木柄の大きい差物である。柱と柱を太い横材でつないで軸部を固める構法で、建物の規模を支える骨組みそのものから、庄屋層の家の構えの大きさが伝わってくる。茅葺から瓦葺へ、つし二階の設置へと姿を変えてきた点も、この家の歴史として押さえておきたい。

田中家住宅主屋の見学

松原市は、現在も住まいとして使われているため敷地内と建物内の見学はできないと案内している。主屋は敷地の中央に建つため、通りから全体を見ることは難しい。

Q&A

Q田中家住宅主屋(松原市南新町)はいつ建てられましたか?
A松原市は普請文書から宝永6年(1709年)の建築とし、文化庁のデータベースは天保年間(1830〜1844年)頃としています。
Q田中家住宅主屋(松原市南新町)は移築されたのですか?
A文化庁のデータベースに平成19年(2007年)移築と記されています。松原市は、老朽化で一部が倒れかかっていたため一部を移築して保存したと説明しています。
Q田中家住宅主屋(松原市南新町)の屋根はもともと茅葺ですか?
A松原市によれば、天保年間に茅葺から瓦葺に改められ、つし二階が設けられました。
Q田中家住宅主屋(松原市南新町)は見学できますか?
A現在も住まいのため、敷地内と建物内の見学はできません。
Q田中家住宅主屋(松原市南新町)はなぜ登録されたのですか?
A「造形の規範となっているもの」として登録されました。近世の大規模な農家建築の面影をとどめる点が評価されています。

基本情報

名称田中家住宅主屋
所在地大阪府松原市南新町1-50-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成21年(2009年)4月28日登録
員数1棟
寸法建築面積247平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(見学不可)

参考文献

国指定文化財等データベース 田中家住宅主屋(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007647
国登録有形文化財 田中家住宅(南新町所在)(松原市)
https://www.city.matsubara.lg.jp/docs/1258960.html

最終更新日: 2026.09.24