日本基督教団島之内教会の建物

日本基督教団島之内教会は、大阪市中央区東心斎橋にある昭和3年(1928年)建築の鉄筋コンクリートブロック造の教会堂で、平成21年(2009年)に国の登録有形文化財に登録された。心斎橋の繁華街の東寄り、堺筋から周防町通を1本西へ入ったところに建ち、にぎやかな街なかに3階建ての正面を向けている。

教会の歩みは明治15年(1882年)に始まる。教会の沿革によれば、この年の1月に宣教師デフォレストから男女6人が洗礼を受けて島之内分会が設けられ、3月には現在地で最初の会堂の献堂式が行われた。

今の会堂について、教会は昭和4年(1929年)3月17日に新会堂として完成したと記している。文化庁の国指定文化財等データベースは建築年を昭和3年(1928年)としており、1年の差がある。工事の完了と献堂の時期の違いによる可能性があるが、この記事では文化庁の記載を採った。

建物は3階建てで、屋根は平らな陸屋根。建築面積は384平方メートルある。文化庁のデータベースには昭和中期の改修も記録されている。

日本基督教団島之内教会が登録有形文化財となった理由

日本基督教団島之内教会は平成21年(2009年)11月2日に登録有形文化財(建造物)に登録された。登録番号は27-0535、登録基準は「造形の規範となっているもの」である。なお教会の紹介文は登録を平成20年(2008年)としているが、文化庁の登録年月日は平成21年(2009年)である。

評価の中心は構造にある。設計者の中村鎮(なかむら まもる)は、自ら考案した「中村式鉄筋コンクリートブロック構造」でこの会堂を建てた。コンクリートブロックと鉄筋コンクリートを組み合わせた工法で、設計者の名から「鎮ブロック」とも呼ばれる。

中村鎮は明治23年(1890年)に福岡県で生まれ、早稲田大学で建築を学び、建築評論でも活動した人物である。函館市文化・スポーツ振興財団の人物伝によると、中村式の建物は大正9年(1920年)以降に全国で119件が建てられた。文化庁の解説は、日本基督教団島之内教会をその工法による建築として、近代の建築構造の発展過程を示すものと位置づけている。

意匠の面では、正面の大階段、6本の角柱を並べた玄関、表面を整えた化粧ブロックによって、建物の正面性をはっきり打ち出している点が挙げられている。

日本基督教団島之内教会の見どころ

通りから最初に目に入るのは、正面に据えられた幅の広い大階段である。上りきった先には大きな庇のかかる玄関があり、6本の角柱が横一列に並ぶ。繁華街の中にあっても、この玄関構えがあるため日本基督教団島之内教会の位置はすぐに分かる。

入口の扉のまわりでは、化粧ブロックで仕上げた壁面を間近に見られる。ブロックを積む構造そのものが、そのまま建物の外観の質感になっている。

扉の内側では、大階段がそのまま上階の礼拝室へと続く。昭和20年(1945年)3月の空襲で会堂の大半は焼けたが、3階は焼け残った。昭和25年(1950年)3月6日に修繕工事が始まり、同年7月2日に全会堂の復旧を感謝する礼拝がささげられている。現在の礼拝室は、戦後のこの復旧を経た空間である。

礼拝室にはフランスのガルニエ社が製作したポジティフオルガン(小型のパイプオルガン)が置かれ、ストップは8フィート、4フィート、2フィートの3つ。毎週の礼拝のほか、特別礼拝や室内楽の演奏会でも使われている。

日本基督教団島之内教会の見学方法とアクセス

日本基督教団島之内教会は礼拝の場として使われている教会で、観光向けの公開時間や拝観料は定められていない。外観は前の道路からいつでも見られる。

内部に入る機会としては、毎週日曜日の主日礼拝(午前10時30分から午前11時30分まで)がある。教会は会堂を音楽会や講演会、結婚式などにも貸し出しており、そうした催しに参加して礼拝室に入ることもできる。見学を希望する場合は、事前に教会(電話080-1482-4603)へ相談したい。

撮影は公道から外観を写す範囲にとどめ、内部や礼拝中の撮影は教会の了承を得てから行う。

最寄り駅は大阪メトロ堺筋線の長堀橋駅で、7番出口から徒歩約3分。御堂筋線の心斎橋駅からは、心斎橋筋出口(大丸側)を出て徒歩約7分である。教会の案内する住所は東心斎橋1-6-7で、文化庁のデータベースでは地番の東心斎橋1-38で記載されている。

Q&A

Q日本基督教団島之内教会はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは昭和3年(1928年)の建築です。教会の沿革は昭和4年(1929年)3月17日に新会堂が完成したと記しています。教会の創立は明治15年(1882年)です。
Q日本基督教団島之内教会はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A設計者の中村鎮が考案した中村式鉄筋コンクリートブロック構造で建てられ、近代の建築構造の発展過程を示すためです。平成21年(2009年)11月2日に「造形の規範となっているもの」として登録されました。
Q日本基督教団島之内教会の中に入ることはできますか?
A観光向けの公開時間はありませんが、日曜日午前10時30分からの主日礼拝や、会堂で開かれる音楽会などの機会に入ることができます。見学の希望は事前に教会へ相談してください。
Q日本基督教団島之内教会への行き方は?
A大阪メトロ堺筋線長堀橋駅の7番出口から徒歩約3分、御堂筋線心斎橋駅の心斎橋筋出口から徒歩約7分です。
Q日本基督教団島之内教会の見どころはどこですか?
A正面の大階段と6本の角柱が並ぶ玄関、化粧ブロックの壁面、戦後に復旧された礼拝室、ガルニエ社製のポジティフオルガンです。

基本情報

名称日本基督教団島之内教会
所在地大阪府大阪市中央区東心斎橋1-38(教会の住所表記は東心斎橋1-6-7)
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成21年(2009年)11月2日登録
員数1棟
寸法建築面積384㎡(鉄筋コンクリートブロック造3階建)
所有者日本基督教団島之内教会(文化庁データベースでは管理団体・管理責任者として記載)
公開状況外観は道路から見学可。内部は主日礼拝や会堂での催しの際に入堂可

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)日本基督教団島之内教会
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007890
文化遺産オンライン 日本基督教団島之内教会
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/192610
日本キリスト教団 島之内教会(公式サイト)
https://www.shimanouchi-church.org/
交通・アクセス|島之内教会
https://www.shimanouchi-church.org/access.html
礼拝・集会案内|島之内教会
https://www.shimanouchi-church.org/info.html
日本基督教団島之内教会|大阪文化財ナビ
https://osaka-bunkazainavi.org/bunkazai/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9F%BA%E7%9D%A3%E6%95%99%E5%9B%A3%E5%B3%B6%E4%B9%8B%E5%86%85%E6%95%99%E4%BC%9A
中村鎮|函館ゆかりの人物伝(函館市文化・スポーツ振興財団)
https://www.zaidan-hakodate.com/jimbutsu/05_na/05-nakamurama.html

最終更新日: 2026.09.16