日本聖公会熊谷聖パウロ教会とは
日本聖公会熊谷聖パウロ教会は、埼玉県熊谷市宮町にある聖公会の教会で、大正8年(1919年)に竣工した煉瓦造の礼拝堂と門の2件が、平成17年(2005年)11月10日に国の登録有形文化財(建造物)となった(文化庁)。2件とも宗教法人日本聖公会北関東教区の所有で、熊谷市は現在も礼拝が行われている教会として紹介している。

熊谷デジタルミュージアム(熊谷市立江南文化財センター)によれば、熊谷での聖公会の歩みは、明治15年(1882年)に東京でイギリス国教会の教えに共感した熊谷の人々の運動に始まる。明治18年(1885年)に田井正一の説教会が開かれ、翌明治19年(1886年)に金井登が派遣されて「熊谷教会」が創設された。宇都宮美術館の調査では、現在地に建った初代礼拝堂の聖別は明治21年(1888年)とされる。
大正4年(1915年)に新しい礼拝堂の計画が持ち上がり、翌大正5年(1916年)に米国人建築家ウィリアム・ウィルソンが設計した(熊谷デジタルミュージアム)。ウィルソンは立教大学池袋キャンパスの現場監理者として同じ年に来日した人物で、礼拝堂は大正8年(1919年)に完成した。
礼拝堂と門
敷地には、鐘塔を備えた煉瓦造平屋建の礼拝堂と、その北側に立つ煉瓦造の門がある(熊谷市)。門は鐘塔の下の玄関ポーチと向き合う位置に据えられ、煉瓦の積み方も礼拝堂に合わせてある(文化庁)。通りから門をくぐると、正面に礼拝堂の入口が来る配置である。

熊谷市によれば、礼拝堂は大正12年(1923年)の関東大震災に耐え、昭和20年(1945年)の熊谷空襲でも被災を免れた。熊谷デジタルミュージアムは、綿密な設計と国産の上質な煉瓦の使用が、震災や西埼玉地震を乗り切った理由に挙げている。屋根は創建時の洋瓦から、戦後に日本瓦へ葺き替えられた。
大正10年(1921年)に聖別された日本聖公会川越キリスト教会礼拝堂は、当時川越を牧していた司祭が熊谷の図面を見て同様の礼拝堂を望んだことから、平面や窓の構成がこの礼拝堂とよく似ている(宇都宮美術館)。礼拝堂と門の構造は、それぞれのページで扱っている。
見学について
日本聖公会熊谷聖パウロ教会は、熊谷市役所と同じ宮町の市街地にあり、埼玉県のまち歩き資料でも高城神社や熊谷寺とともに立ち寄り先に挙げられている。門と礼拝堂の外観は通りから眺められる。
現在も礼拝に使われている教会で、内部の公開について公的な案内は確認できなかった。訪ねる際は礼拝の時間を避け、敷地に入る場合は教会の了承を得たい。
参考文献
- 日本聖公会熊谷聖パウロ教会礼拝堂(国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004945
- 日本聖公会熊谷聖パウロ教会門(国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004946
- 日本聖公会熊谷聖パウロ教会礼拝堂・門(熊谷市)
- https://www.city.kumagaya.lg.jp/kanko/rekisi/bunkazai/yukeibunkazai/seipauro.html
- 聖パウロ教会(熊谷市 熊谷のみどころ)
- https://www.city.kumagaya.lg.jp/kanko/midokoro/sei_pauro.html
- 日本聖公会熊谷聖パウロ教会礼拝堂(熊谷デジタルミュージアム)
- https://www.kumagaya-bunkazai.jp/museum/jousetu/bunkazai/j002bunka.htm
- 建造物めぐり⑪熊谷聖パウロ教会二代礼拝堂(宇都宮美術館)
- https://u-moa.jp/event/church2023/1900/index.html
- 日本聖公会熊谷聖パウロ教会礼拝堂(埼玉県 景観資源データシート)
- https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/65003/1120207005.pdf
- 熊谷まち歩き(埼玉県)
- https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/5546/460690.pdf
最終更新日: 2026.10.28
基本情報
| 名称 | 日本聖公会熊谷聖パウロ教会 |
|---|---|
| 所在地 | 埼玉県熊谷市宮町1-139 |
| 所有者 | 宗教法人日本聖公会北関東教区 |
| 指定 | 登録有形文化財 2件 |
| 座標 | 36.14675, 139.38379 |