所沢郷土美術館とは

所沢郷土美術館は、埼玉県所沢市久米にある医家平塚家の旧宅で、安政元年(1854年)の主屋をはじめ、長屋門・土蔵の3棟が平成17年(2005年)2月9日に国の登録有形文化財に登録された(文化庁)。所沢市によれば、市内で初めて国の登録有形文化財となった建物である。

施設名は「所澤郷土美術館」と旧字で書かれることもある(所沢市)。現在、主屋は私設の美術館として公開され、市内在住の芸術家による絵画・彫刻・書・工芸品などを展示している。

侍医を出した平塚家

所沢市によれば、平塚家は9代から12代まで4代続けて医師を出した家で、9代の菊川儀角は川越藩主・松平大和守家の侍医を務めた。主屋と長屋門は11代の平塚宗順精信が建てたとされる。埼玉県の景観資源データシートも、幕末に医者の平塚崇順が建てた旧宅として紹介している(表記は資料により異なる)。

文化庁の記録では、主屋の普請覚帳から棟梁が打越村の大工・新左衛門と分かり、長屋門も同じ棟梁の仕事である。主屋が安政元年(1854年)、長屋門がその翌年の安政2年(1855年)、土蔵が明治時代初期の建築とされる。

屋敷の構え

3棟の配置は、医家の屋敷構えをよく残している。道路に面した敷地の東端に長屋門が少し下がって南北に建ち、その北側に2階建ての土蔵が並ぶ。文化庁は、この土蔵と長屋門が屋敷の表構えをつくっているとする。

主屋は敷地の西寄りに東を向いて建つ(文化庁)。門と主屋は敷地の東西に向かい合う配置で、主屋の屋根は入母屋造である。主屋の式台玄関から奥の間へ続く接客の部屋は、侍医を務めた家の格式を伝えるものとされる。

所沢郷土美術館の主屋・長屋門・土蔵は、平成23年度(2011年度)の所沢市「とことこ景観賞」の景観資源にも選ばれている(所沢市、埼玉県)。各棟の構造は、それぞれのページで扱っている。

見学について

所沢市の案内によれば、所沢郷土美術館の開館は4月から11月までの日曜と祝日で、12月から3月は休館する。開館時間は午前10時から午後4時30分、入館料は無料。埼玉県の景観資源データシートも、開館日には敷地内を見学できるとしている。

西武池袋線・新宿線の所沢駅西口から徒歩約15分。市内循環の「ところバス」南路線(吾妻循環コース)を使う場合は「南陵中学校下」で降りてすぐである(所沢市)。駐車場について公的な案内は確認できなかった。

所沢市が令和8年(2026年)3月に作成した文化財保存活用地域計画でも、主屋は私設美術館として公開活用されていると記されている。開館日は年によって変わることがあるので、訪れる前に市の文化財保護課の案内を確かめたい。

参考文献

所沢郷土美術館主屋(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004523
所沢郷土美術館長屋門(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004524
所沢郷土美術館土蔵(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004525
所沢郷土美術館主屋・長屋門・土蔵(所沢市)
https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/iitokoro/enjoy/bunkakyoyo/bunkazai/kunitourokubunkazai/kyodobijyutukan.html
所沢市文化財保存活用地域計画 第2章 所沢市の文化財の概要(所沢市)
https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/iitokoro/enjoy/bunkakyoyo/bunkazai/bunkazai_keikaku.files/keikaku_2shou.pdf
所沢郷土美術館 景観資源データシート(埼玉県)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/64991/1120807003_20240701.pdf

最終更新日: 2026.10.28

基本情報

名称所沢郷土美術館
所在地埼玉県所沢市大字久米1447-1
指定登録有形文化財 3件
座標35.78008, 139.46457