4棟が登録された、旧中山道の商家
古川家住宅は、滋賀県犬上郡豊郷町四十九院919にある商家で、敷地の4棟が2007年(平成19年)7月31日に登録有形文化財(建造物)となった。指定された文化財ではなく、登録された文化財である。最も古い主屋は江戸時代、1830年から1867年の間に建てられている。
4棟は、主屋、客間棟、離れ、蔵である。所有は財団法人芙蓉会である。
文化庁は主屋を、油商の店舗兼住宅として建設、と記す。旧中山道に東面する敷地の北東寄りに建つ、とされる。
三棟が、渡廊下と縁でつながっている
別々に建つ棟が、屋根のある通路で結ばれている。
客間棟は、主屋の北西角に縁を介して接続する、とされる。まず主屋と客間棟が縁でつながる。
離れは、客間棟の西側縁から長さ7間半の渡廊下で接続する、とされる。7間半はおよそ13.6メートルにあたる。
蔵は、東側の渡廊下に戸口を開く、とされる。渡廊下に面して出入口が設けられている。
主屋から客間棟へ、客間棟から離れへ、そして蔵へと、屋外に出ずに行き来できる作りになる。
観音正寺では7棟が境内に散らばり、萬福寺では4棟が東西に長い境内に置かれていた。あちらは独立して建つ。本件は棟どうしが結ばれている。
主屋の屋根が、瓦の形をした鉄板で仮に葺かれている
仮葺の材が、本来の材ではないものに似せられている。
主屋の構造の欄は、木造平屋建、茅葺(鉄板仮葺)とする。
解説文はさらに細かく、茅葺屋根を瓦形鉄板仮葺とする、と記す。瓦の形に成形した鉄板が載っていることになる。
萬福寺本堂も茅葺(鉄板仮葺)一部瓦葺とされた。あちらは鉄板の形まで書かれていない。
本件は、本来の茅でもなく、隣の棟に使われる瓦でもなく、瓦に似せた鉄板である。
同じ敷地の客間棟、離れ、蔵はいずれも瓦葺で、桟瓦葺とされる。主屋だけが仮の屋根を載せている。
主屋だけが江戸で、他の三棟は昭和である
4棟の年代が、大きく二つに分かれている。
主屋は江戸、1830年から1867年である。37年の幅がある。
客間棟、離れ、蔵はいずれも昭和前、1926年から1988年である。62年の幅があり、昭和のほぼ全体にわたる。
江戸と昭和の間はおよそ一世紀離れる。商家の本体が江戸に建ち、接客と収蔵のための棟が昭和に加わったことになる。
旧高橋家住宅では主屋が江戸、三つの蔵が明治だった。あちらも本体が古く付属が新しい。
樟徳館では6棟すべてが1939年で揃っていた。あちらは一度に建てられている。
妻入と平入が、棟によって分かれる
入口の向きが、建物ごとに違う。
主屋は、間口6間半、奥行6間半の妻入、とされる。妻入は屋根の三角に見える側に入口を設けることをいう。
客間棟は東西棟の入母屋造、離れも入母屋造、蔵は南北棟の切妻造である。
主屋は、街路から塀越しに見える入母屋屋根が目をひく、とされる。旧中山道に面して建つため、道からの見え方が述べられている。
萬福寺本堂は寄棟造で四方に庇を回していた。観音正寺札堂は切妻造の平入である。
本件の主屋は妻入で、間口と奥行が同じ6間半の正方形に近い平面になる。
見学
所在は滋賀県犬上郡豊郷町四十九院919で、所有は財団法人芙蓉会である。
4棟はいずれも同じ敷地にある。主屋は旧中山道に東面し、蔵は敷地の中央西寄り、離れは北西に建つ。
離れは、庭からの景観を意識した構成である、とされる。庭側に濡縁が回り、蔵の東に達する。
財団が所有する建物であり、公開の有無や時間は所有者の定めによる。
公開の状況は変わることがあるため、訪問前に確認したい。
参考文献
- 文化遺産オンライン 古川家住宅主屋
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/119444
- 文化遺産オンライン 古川家住宅客間棟
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/153175
- 文化遺産オンライン 古川家住宅離れ
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/182786
- 文化庁 国指定文化財等データベース
- https://kunishitei.bunka.go.jp/
最終更新日: 2026.09.13
基本情報
| 名称 | 古川家住宅 |
|---|---|
| 所在地 | 滋賀県犬上郡豊郷町四十九院919 |
| 所有者 | 財団法人芙蓉会 |
| 指定 | 登録有形文化財 4件 |
| 座標 | 35.20745, 136.23423 |