1棟の手水舎 ― 2021年に登録有形文化財
観音正寺手水舎は、滋賀県近江八幡市安土町石寺字繖山2にある昭和時代の建造物で、2021年(令和3年)10月14日に登録有形文化財(建造物)となった。指定された文化財ではなく、登録された文化財である。
員数は1棟である。ふりがなの欄は、かんのんしょうじてみずしゃである。所有は観音正寺である。
構造は木造、銅板葺、面積1.5平方メートルとされる。年代の欄は昭和前、西暦は1928年である。
面積が1.5平方メートルである
これまで扱ったなかで、最も小さい。
構造の欄は、木造、銅板葺、面積1.5平方メートルとする。
春日神社申殿は建築面積12平方メートルで、桁行一間、梁間一間だった。あちらも小さいが、本件はその8分の1ほどになる。
旧集成館機械工場は977.5平方メートル、行形亭土蔵は59平方メートルである。
本件は柱を二本立てて屋根を架けただけの建物になる。石製控柱を添えた本柱二本を虹梁で繋ぎ、とある。
西宮神社嘉永橋は橋長6.0メートルで最も短い橋だった。本件は最も小さい建物になる。
面積と建築面積が、建物によって使い分けられる
同じ日に登録された6棟で、寸法の語が分かれる。
本件と鐘堂は、面積とだけ記される。それぞれ1.5平方メートル、10平方メートルである。
一方、地蔵堂、護摩堂、札堂は建築面積と記される。11平方メートル、43平方メートル、19平方メートルである。
手水舎と鐘堂は壁を持たない。柱と屋根だけの建物になる。地蔵堂、護摩堂、札堂は内部が一室の堂である。
壁で囲まれているかどうかで、語が使い分けられていると読める。
書院庭門は面積ではなく、間口2.2メートルと記される。門であるため、通る幅で示されている。寸法の書き方が三通りに分かれる。
6棟が、同じ日に登録されている
一つの寺の建物が、まとめて登録されている。
観音正寺では、手水舎、地蔵堂、鐘堂、書院庭門、護摩堂、札堂、書院が登録有形文化財となっている。いずれも登録年月日は2021年10月14日である。
行形亭では10棟、重田家住宅では8棟、春日神社では8件以上が登録されていた。
ただし、行形亭の土蔵は2000年、重田家住宅の主屋は2001年と、棟ごとに登録の年が分かれる場合もある。
本件は同じ日にまとめて登録されている。年代は江戸の書院庭門(1844年)から昭和の手水舎・鐘堂・護摩堂・札堂(1928年)まで84年の幅があるが、登録は一日である。
桑実寺本堂も同じ繖山にある。あちらは1904年の指定で、本件とは制度も年代も離れている。
参拝
所在は滋賀県近江八幡市安土町石寺字繖山2で、所有は観音正寺である。
位置も記される。文化庁は、書院庭門の北に建つ南北棟で西面する、とする。
作りについては、切妻造銅板葺、石製控柱を添えた本柱二本を虹梁で繋ぎ、控柱を添えた肘木で腕木を支え、腕木は桁を受ける、とある。
続けて、本柱上に平三斗、虹梁中央に蟇股を置く、とする。小さいながら組物と蟇股を備えている。
評価は、巡礼寺院の歴史的景観を整える、と結ばれる。景観を整えるという言い方で、登録基準の国土の歴史的景観に寄与しているものに沿う。山中の寺であり、参拝については寺の定めによる。訪問前に確認したい。
Q&A
- 観音正寺手水舎はいつ登録されましたか。
- 2021年(令和3年)10月14日に登録有形文化財(建造物)となりました。指定ではなく登録で、員数は1棟です。
- どのくらいの大きさですか。
- 面積1.5平方メートルです。柱二本を立てて屋根を架けた建物で、これまで扱ったなかで最も小さくなります。
- 他にも登録された建物がありますか。
- あります。地蔵堂、鐘堂、書院庭門、護摩堂、札堂、書院が同じ日に登録されています。
- 何が評価されているのですか。
- 文化庁は「巡礼寺院の歴史的景観を整える」と結びます。登録基準の「国土の歴史的景観に寄与しているもの」に沿う書き方です。
- どこに建っていますか。
- 文化庁は「書院庭門の北に建つ南北棟で西面する」と記します。繖山にある寺の境内で、桑実寺本堂も同じ山にあります。
基本情報
| 名称 | 観音正寺手水舎(かんのんしょうじてみずしゃ) |
|---|---|
| 所在地 | 滋賀県近江八幡市安土町石寺字繖山2 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物・宗教建築)/指定ではなく登録/同じ寺の7棟が同じ日に登録 |
| 指定年 | 2021年(令和3年)10月14日 登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造、銅板葺、面積1.5平方メートル。切妻造で、石製控柱を添えた本柱2本を虹梁で繋ぎ、控柱を添えた肘木で腕木を支え、腕木は桁を受ける。本柱上に平三斗、虹梁中央に蟇股を置く。年代の欄は昭和前、西暦は1928年 |
| 所有者 | 観音正寺 |
| 公開状況 | 山中に建つ寺の境内にあり、参拝は寺の定めによる |
参考文献
- 文化遺産オンライン 観音正寺手水舎
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/520194
- 文化遺産オンライン 観音正寺書院庭門
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/553925
- 文化庁 国指定文化財等データベース
- https://kunishitei.bunka.go.jp/
- 近江八幡市 文化財
- https://www.city.omihachiman.lg.jp/
最終更新日: 2026.09.11