川崎睦男家住宅東蔵とは
川崎睦男家住宅東蔵(かわさきむつおけじゅうたくひがしぐら)は、滋賀県栗東市手原の旧東海道沿いに建つ明治中期の土蔵造2階建の蔵で、平成10年(1998年)4月21日に登録有形文化財となった。瓦葺で、建築面積は20平方メートルある。
屋敷の4件のうち、年代がもっとも古いとみられる建物である。文化庁のデータベースは建築を明治中期とし、明治36年(1903年)の主屋より前にさかのぼる可能性がある。ただし年まで特定した記録は示されていない。
街道に妻を見せる小さな蔵
川崎睦男家住宅東蔵は、通りから見て主屋の右手に建ち、妻側を旧東海道へ向けている。蔵の三角の妻壁が、街道に直接面する形である。
建築面積20平方メートルは、奥に建つ北蔵のちょうど半分にあたる。規模は小さいが、文化庁の解説は、川崎睦男家住宅東蔵が主屋とともに街路の景観をつくる重要な要素であり、屋敷の構成のうえでも欠かせない存在だと評している。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」、登録番号は25-0031である。
主屋の格子の並びだけでは、街道沿いの正面は町家1軒の顔にとどまる。そこに東蔵の妻が加わることで、通りに対して母屋と蔵が並ぶ、屋敷としての構えが整う。
標準的な土蔵に施された2つの工夫
文化庁の解説は、川崎睦男家住宅東蔵を軒蛇腹付きの標準的な土蔵と位置づけている。軒蛇腹は、軒下の壁を何段にも塗り重ねて出した帯状の繰形で、土蔵の軒を火から守る役目もある。
そのうえで2点に特徴がある。1つは壁の下部、腰を縦板張りとしていることで、雨の跳ね返りから土壁を守る。もう1つは屋根を置屋根の形式とすることである。置屋根は、土で塗り固めた蔵の本体の上に、別に組んだ屋根を載せる方法で、火事のときに屋根だけが焼け落ちても本体が残るように考えられている。
奥の北蔵も同じ置屋根の形式をとる。明治中期の東蔵と昭和初期の北蔵が、同じ工法で建てられている点は、屋敷の蔵のつくり方が代をまたいで受け継がれたことを示している。
見学方法
川崎睦男家住宅東蔵は個人の所有で、内部は公開されていない。
妻を旧東海道に向けて建つので、外観は通りから見られる。腰の縦板と軒蛇腹は妻側の正面でよく分かる。置屋根の載り方を確かめたいなら、妻壁の上端と屋根のあいだに目を向けるとよい。敷地には入らず、公道から眺めるにとどめたい。
Q&A
- 川崎睦男家住宅東蔵はどんな建物ですか。
- 主屋の右手に建つ明治中期の土蔵造2階建の蔵です。瓦葺で、建築面積は20平方メートルあります。
- 川崎睦男家住宅東蔵はなぜ登録有形文化財になったのですか。
- 妻を旧東海道に見せて建ち、主屋とともに街路の景観をつくる重要な要素だからです。「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。
- 川崎睦男家住宅東蔵の屋根の置屋根とは何ですか。
- 土で塗り固めた蔵の本体の上に、別に組んだ屋根を載せる形式です。火事で屋根が焼けても本体を守れるよう考えられています。
- 川崎睦男家住宅東蔵が登録有形文化財になったのはいつですか。
- 平成10年(1998年)4月21日です。登録番号は25-0031です。
- 川崎睦男家住宅東蔵は見学できますか。
- 内部は非公開です。妻側を旧東海道に向けて建っているので、外観は通りから見ることができます。
基本データ
| 名称 | 川崎睦男家住宅東蔵(かわさきむつおけじゅうたくひがしぐら) |
|---|---|
| 所在地 | 滋賀県栗東市手原5-3-10 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) 登録番号 25-0031 |
| 指定年 | 平成10年(1998年)4月21日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 土蔵造2階建、瓦葺、建築面積20平方メートル |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | 非公開(外観は旧東海道から) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 川﨑睦男家住宅東蔵(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00000539
- 栗東市に所在する指定・選択・登録文化財件数一覧(栗東市、令和5年(2023年)12月25日現在)
- https://www.city.ritto.lg.jp/hakubutsukan/20231225_shinaishiteibunkazai.pdf
- 栗東市に所在する指定・選択・登録文化財(栗東市)
- https://www.city.ritto.lg.jp/soshiki/kyoiku/sports_bunka/bunkazai/9692.html
最終更新日: 2026.09.28