方広寺大庫裡とは

本堂の東側に西を向いて建つ長大な建物が方広寺大庫裡である。庫裡とは寺の台所や事務、僧の生活を担う建物で、大庫裡はその名のとおり境内でも群を抜いて大きい。木造平屋建、瓦葺で、建築面積は513平方メートルにおよぶ。南北に棟をとる切妻造・桟瓦葺とする。

大正前期、およそ大正元年から7年(1912〜1918年)頃の建築で、平成2年(1990年)頃に改修が加えられた。正面中央には唐破風の玄関を構え、その左右に入母屋の突出部を付した特徴的な表構えをもつ。北側は展示室などの公的な空間、南側は事務室などの業務空間とする。

寺の暮らしを支える台所

方広寺は坐禅とともに精進料理でも知られる寺で、庫裡はそうした食の営みや寺務を担ってきた建物である。参拝者を迎える公的な空間と、寺を動かす業務空間が一棟に同居し、大本山の日常がここに集まる。

大本山にふさわしい格式

大庫裡は令和元年(2019年)9月10日に国の登録有形文化財(建造物)に登録された。登録番号は22-262。登録基準は「造形の規範となっているもの」である。

評価されるのは、豪壮な外観と大本山にふさわしい格式である。513平方メートルという規模に加え、正面中央の唐破風玄関と左右の入母屋突出部が生む立体的な表構えが、実務の建物でありながら堂々たる風格を与えている。

長大な切妻の屋根と、変化に富む正面の構成の対比も見どころである。単調になりがちな大規模建築に、玄関と突出部で表情を与えている点が、造形の妙として評価されている。

唐破風玄関の前に立つ

正面中央の唐破風玄関は、この建物の顔である。唐破風は中央が弓なりに反り上がる曲線の破風で、玄関に格式と華やぎを添える。その左右に入母屋の突出部が張り出すことで、正面は単なる長大な壁ではなく、奥行きと律動をもった構えになる。

北は展示室などの公的空間、南は事務室などの業務空間という機能の分担も、庫裡という建物の性格をよく表す。方広寺では庫裡内で寺宝の展示が行われることもあり、参拝の折に立ち寄れる公的な空間が設けられている。

本堂・知客寮と並び建つこの一棟は、境内中心部の景観を構成する要でもある。渡り廊下でつながる堂宇の連なりのなかで、大庫裡は生活と実務の中心として、大本山の日常を支えている。

Q&A

Q庫裡とはどんな建物ですか。
A寺の台所や事務、僧の生活を担う建物です。方広寺大庫裡は境内でも特に大きく、建築面積513平方メートルにおよびます。北側は展示室などの公的空間、南側は事務室などの業務空間です。
Qいつ頃の建築ですか。
A大正前期、およそ大正元〜7年(1912〜1918年)頃で、平成2年(1990年)頃に改修されました。令和元年(2019年)9月10日に国の登録有形文化財となり、登録番号は22-262です。
Q外観の特徴は何ですか。
A正面中央の唐破風玄関と、その左右に付した入母屋の突出部です。長大な切妻屋根に対し、この玄関と突出部が立体的で豪壮な表構えをつくっています。
Q内部は見学できますか。
A北側には展示室などの公的空間が設けられ、寺宝の展示が行われることもあります。公開状況は方広寺の公式サイトで確認してください。

基本情報

名称方広寺大庫裡(ほうこうじだいくり)
所在地静岡県浜松市浜名区引佐町奥山1577-1
指定区分国登録有形文化財(建造物)/登録番号 22-262
登録年月日令和元年(2019年)9月10日
員数1棟
構造木造平屋建、瓦葺、建築面積513㎡(南北棟 切妻造桟瓦葺)
年代大正前期(1912〜1918年頃)/平成2年頃改修
所有者宗教法人方広寺
公開状況方広寺境内(本堂東側)。展示室等の公開は公式サイトで要確認

参考文献

国指定文化財等データベース:方広寺大庫裡
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012912
大本山方広寺 公式サイト(方広寺について)
https://houkouji.or.jp/about/
臨黄ネット(臨済宗黄檗宗):方広寺
https://rinnou.net/head-temple/houkou/
Wikipedia:方広寺(浜松市)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B9%E5%BA%83%E5%AF%BA_(%E6%B5%9C%E6%9D%BE%E5%B8%82)

最終更新日: 2026.07.07