老猿〈高村光雲作 明治二十六年/木造〉とは:逃げた鷲の羽を掴み空を睨む、トチの一材から彫った老猿

老猿〈高村光雲作 明治二十六年/木造〉(ろうえん)は、東京国立博物館が所蔵する、明治26年(1893年)に高村光雲が制作した木彫の老猿で、平成11年(1999年)6月7日に重要文化財に指定された。

文化庁の記録では、員数は1躯、所有者は独立行政法人国立文化財機構である。

文化庁の詳細解説によると、明治26年にシカゴで開かれた万国博覧会への出品作である。

老猿〈高村光雲作 明治二十六年/木造〉の姿

文化庁の詳細解説によると、全身が長い毛に覆われた老猿で、右斜め上方を睨み、上体を捻って右前に倒し、左手を斜め右前に伸ばして鷲の羽根5本を掴み、右手で岩角を掴んで岩の上に座る。

本体から岩までを含めてトチの一材から丸彫りし、表面は素地仕上げとし、眼には黒色の鉱物を嵌め込む。背面の岩座に、明治26年に高村光雲が造った旨の刻銘がある。

老猿〈高村光雲作 明治二十六年/木造〉の見どころ

文化庁によると、光雲の口述を記録した『光雲懐古談』によれば、光雲は材を選ぶために栃木の山奥を回ってトチの大木を探し、モデルの猿も浅草奥山の猿茶屋で飼われていた猿を借りてきたという。逃げ去った鷲の尾羽を掴んで空の一角を睨み上げる老猿の姿を、白い木肌の細かく揺れる木目を毛並みに生かして精緻に彫り上げている。

文化庁は、綿密な観察に基づく迫真的な表現で、精神の緊張を表す堂々たる巨作と評価している。高村光雲は嘉永5年(1852年)に江戸浅草に生まれ、12歳で仏師高村東雲の門に入り、伝統的な木彫の技法の上に写生の法を取り入れて新しい境地を拓いた。

老猿〈高村光雲作 明治二十六年/木造〉の見学方法

老猿は東京国立博物館が所蔵しており、常時展示されているわけではない。展示の予定は同館の案内で確かめたい。

Q&A

Q老猿はいつ重要文化財に指定されましたか?
A平成11年(1999年)6月7日に指定されました。
Q老猿を作ったのは誰ですか?
A高村光雲で、明治26年(1893年)に制作しました。
Q老猿は何のために作られたのですか?
A明治26年のシカゴ万国博覧会への出品作です。
Q老猿の材は何ですか?
A本体から岩までトチの一材から丸彫りしています。
Q老猿はどんな姿ですか?
A逃げた鷲の羽根を掴み、右斜め上方を睨み上げる姿です。

基本情報

名称老猿〈高村光雲作 明治二十六年/木造〉(ろうえん)
所在地東京国立博物館(東京都台東区上野公園13-9)
指定区分重要文化財(彫刻)
指定年平成11年(1999年)6月7日指定
員数1躯
寸法文化庁データベースに記載なし
所有者独立行政法人国立文化財機構
公開状況展示時期は東京国立博物館に要確認

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「老猿〈高村光雲作 明治二十六年/木造〉」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/10355
文化遺産オンライン「老猿」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/213569

最終更新日: 2026.09.29