佐野家住宅防火壁とは

佐野家住宅防火壁は、富山県高岡市御馬出町にある明治33年(1900年)頃に築かれた煉瓦造の防火壁で、平成10年(1998年)4月21日に国の登録有形文化財に登録された。佐野家住宅の敷地の南側を区切り、高さ5.6メートル、延長25メートルに及ぶ。

文化庁のデータベースでは、佐野家住宅防火壁の員数は1基、種別は建物ではなく「その他工作物」で、登録番号は16-0024。佐野家住宅の登録7件のうち、屋根と床をもつ建物でないのはこの壁だけである。

佐野家住宅防火壁の登録理由

佐野家住宅防火壁の登録基準は「造形の規範となっているもの」である。文化庁の解説文は、防火対策に腐心した居宅の好例としても知られていると記す。

佐野家住宅には防火壁が南北に1枚ずつある。北側の壁は主屋の北側面と一体に造られていて、建物の一部になっている。これに対して南側の{0}は、どの建物にも寄りかからず単独で立つ。登録されたのはこの独立した南側の壁である。

明治33年(1900年)の高岡大火のあと、隣家との境に煉瓦の防火壁を立てる構えは山町筋一帯の町家にも見られるが、25メートルにわたって敷地の一辺を丸ごと覆う壁は規模が違う。表の主屋から奥の味噌蔵まで、屋敷の南面をほぼ一枚でふさいでいる。

佐野家住宅防火壁の見どころ ― 煉瓦で造った屋根と親柱

佐野家住宅防火壁の特徴は、壁だけでなく、正面の親柱と壁の上の屋根まで煉瓦で一体に造っている点にある。

土塀なら瓦を載せた木の小屋組で頂部を覆うのが普通だが、それでは頂部の木が燃える。煉瓦で屋根の形まで積み上げてしまえば、壁のどこにも燃えるものが残らない。通り側の端に立つ親柱は、壁の端部を締める柱であると同時に、屋敷の南の角を示す標識のような役目も果たしている。

奥の端では、4棟の蔵の南端にある味噌蔵の側面に取り付いている。表の親柱から奥の味噌蔵までを目でたどると、この壁が屋敷の防火の一辺そのものだと分かる。

佐野家住宅防火壁の見学方法

佐野家住宅防火壁は私有地の中にあり、一般公開はされていない。ただし通りに面した端の親柱と壁の立ち上がりは、主屋の正面に立つと、主屋の南側に見ることができる。

見学は公道からの外観に限られる。壁沿いは敷地内なので立ち入らず、撮影も道路からにとどめたい。主屋は予約制のレストランとして使われているが、防火壁の見学の案内はない。

Q&A

Q佐野家住宅防火壁の大きさは?
A佐野家住宅防火壁は煉瓦造で、高さ5.6メートル、延長25メートルです。員数は1基と数えられています。
Q佐野家住宅防火壁は通りから見られますか?
A佐野家住宅防火壁の通りに面した端の親柱と壁は、主屋の正面の南側に見えます。壁沿いは私有地のため立ち入れません。
Q佐野家住宅防火壁は佐野家住宅の北側にもありますか?
A北側にも防火壁がありますが、主屋の北側面と一体の造りです。登録されている佐野家住宅防火壁は、敷地の南側に独立して立つ壁です。
Q佐野家住宅防火壁のどこに注目すればよいですか?
A佐野家住宅防火壁は壁だけでなく、正面の親柱と壁の上の屋根まで煉瓦で一体に造っています。木を使わずに頂部まで仕上げた点が見どころです。
Q佐野家住宅防火壁はいつ造られ、いつ登録されましたか?
A佐野家住宅防火壁は明治33年(1900年)頃に造られ、平成10年(1998年)4月21日に登録有形文化財に登録されました。

基本情報

名称佐野家住宅防火壁
所在地富山県高岡市御馬出町68
指定区分登録有形文化財(その他工作物)
指定年平成10年(1998年)4月21日登録
員数1基
寸法煉瓦造、高さ5.6メートル、延長25メートル
所有者個人
公開状況非公開(通りに面した端部は公道から見える)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「佐野家住宅防火壁」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000533
とやまの文化遺産「佐野家住宅主屋」
https://toyama-bunkaisan.jp/search/2418/
とやまの文化遺産「高岡市山町筋伝統的建造物群保存地区」
https://toyama-bunkaisan.jp/search/1744/

最終更新日: 2026.09.28