佐野家住宅味噌蔵とは

佐野家住宅味噌蔵(みそぐら)は、富山県高岡市御馬出町にある明治33年(1900年)頃の2階建の土蔵で、平成10年(1998年)4月21日に国の登録有形文化財に登録された。佐野家住宅の敷地奥に並ぶ4棟の蔵の南端に建ち、4棟のうちで最も大きい。

文化庁のデータベースでは、佐野家住宅味噌蔵は木造2階建、瓦葺、建築面積49平方メートルで、登録番号は16-0023。北隣の調度蔵とは一体的な造作になっており、南側面には敷地の南側を区切る煉瓦の防火壁が接続している。

佐野家住宅味噌蔵の登録理由 ― 蔵の列と防火壁の結び目

佐野家住宅味噌蔵の登録基準は「造形の規範となっているもの」である。この蔵の位置づけを決めているのは、南側面に取り付く防火壁との関係である。

敷地の南の境には、高さ5.6メートル、長さ25メートルの煉瓦の防火壁が通りから奥へ延びている。その奥の端を受け止めるのが味噌蔵で、蔵の列と防火壁はここで一つにつながる。屋敷の南側と背後という二つの防火線が交わる角を、この蔵が固めている。

文化庁の解説文は、南側の平面が敷地の形に沿って変則的になっていると記す。整った長方形をあきらめてでも、敷地の角いっぱいまで蔵を建て、防火壁との間に隙間を残さなかったと読める。

佐野家住宅味噌蔵の見どころ ― 引き戸の防火戸

佐野家住宅味噌蔵の出入口は、正面の北寄りに開いている。文化庁の解説文がとくに「特異」と記すのは、その防火戸が引き戸になっている点である。

土蔵の防火戸は、厚い土の扉を開き戸として吊るのが一般的で、観音開きの重い扉は土蔵の顔でもある。味噌蔵ではそれを横に引く形式にしている。味噌樽のような重く大きな荷を頻繁に出し入れする蔵であれば、扉を振り回す場所の要らない引き戸のほうが扱いやすかったのかもしれない。理由を記した資料は確認できず、推測の域は出ないが、ほかの3棟と見比べたときの違いとして覚えておきたい点である。

建築面積49平方メートルは、20平方メートルの1番・2番の蔵の2倍を超える。北から南へ蔵が大きくなっていく並びの終点に、この蔵がある。

佐野家住宅味噌蔵の見学方法

佐野家住宅味噌蔵は一般公開されておらず、内部には入れない。敷地の奥にあるため、通りから蔵そのものは見えない。

通りから見えるのは、味噌蔵へ向かって延びる南側の防火壁の表側の端である。主屋は予約制のレストランとして使われているが、蔵の見学は案内されていない。私有地であることを踏まえ、敷地や隣地に立ち入らないようにしたい。

Q&A

Q佐野家住宅味噌蔵は佐野家住宅のどこにありますか?
A佐野家住宅味噌蔵は敷地奥に並ぶ4棟の蔵の南端にあり、南側面に煉瓦の防火壁が接続しています。
Q佐野家住宅味噌蔵の防火戸はどこが珍しいのですか?
A佐野家住宅味噌蔵の防火戸は引き戸になっており、文化庁の解説文はこれを特異な点として挙げています。
Q佐野家住宅味噌蔵はどのくらいの大きさですか?
A佐野家住宅味噌蔵は木造2階建、瓦葺で、建築面積は49平方メートルです。佐野家住宅の4棟の蔵のなかで最も大きな蔵です。
Q佐野家住宅味噌蔵は見学できますか?
A佐野家住宅味噌蔵は一般公開されておらず、通りからも見えません。
Q佐野家住宅味噌蔵はいつ登録有形文化財になりましたか?
A佐野家住宅味噌蔵は平成10年(1998年)4月21日に登録されました。建築は明治33年(1900年)頃です。

基本情報

名称佐野家住宅味噌蔵
所在地富山県高岡市御馬出町68
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成10年(1998年)4月21日登録
員数1棟
寸法木造2階建、瓦葺、建築面積49平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(通りからは見えない)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「佐野家住宅味噌蔵」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000532
文化庁 国指定文化財等データベース「佐野家住宅防火壁」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000533

最終更新日: 2026.09.28