金剛峯寺浄水所とは

金剛峯寺浄水所は、和歌山県伊都郡高野町の高野山で、壇上伽藍へ通じる蛇腹路(蛇腹道)の南側に建つ昭和33年(1958年)の鉄筋コンクリート造の手水舎で、令和7年(2025年)8月6日に登録有形文化財(建造物)に登録された。読みは「こんごうぶじじょうすいじょ」。

名前から浄水場を連想するかもしれないが、金剛峯寺浄水所は参拝前に手と口を清める手水舎である。鐘楼と同じく、高野山開創1150年記念大法会の事業の一環として建てられた。

位置は壇上伽藍の東端で、金剛峯寺の方から蛇腹道を歩いて伽藍に入る参拝者が最初に出会う建物の一つにあたる。

金剛峯寺浄水所の価値

登録基準は「造形の規範となっているもの」。参道から南へ張り出した基壇の上に北を向いて建ち、桁行三間、梁間一間、鉄筋コンクリート造の切妻造で、屋根は瓦棒銅瓦葺、面積は34㎡である。

四方を壁のない吹き放ちとし、内部の中央に水盤を据える。天井は張らず、化粧屋根裏をそのまま見せている。正面を除く三方には、直線を基調とした刎高欄風の金属製の手摺を立てる。

内外をすべて白く塗装している点が、この建物をとりわけ印象づける。文化庁は、簡明ながら規模が大きく存在感のある手水舎と評し、金剛峯寺も要所に装飾を施して壇上伽藍にふさわしい意匠にまとめたと説明している。

金剛峯寺浄水所の見どころ

蛇腹道を歩いてくると、木々の緑と伽藍の朱の間に、純白の切妻屋根と柱が現れる。周囲の堂塔が朱や木の色でまとまるなかで、白一色の建物はかえってよく目立つ。

中に入ったら天井を見上げたい。化粧屋根裏の垂木の並びまで白く塗られ、柱と梁の線が整然と見える。コンクリートの構造を隠さず、それでいて木造の手水舎と同じ構成に仕立てている。

三方の手摺も見どころである。刎高欄は社寺の縁に用いる、端を反らせた高欄のことで、それを金属の直線で置き換えている。伝統の形を下敷きにしながら、昭和30年代らしい簡潔な表現に変えた部分といえる。

金剛峯寺浄水所の見学方法

金剛峯寺浄水所は壇上伽藍の東端、蛇腹道沿いにあり、参拝者は自由に立ち寄ることができる。手水舎として、伽藍を参拝する前に手と口を清める場所に使われている。

撮影が禁じられているのは伽藍諸堂の内部で、屋外に建つ金剛峯寺浄水所の外観は禁止の対象として挙げられていない。

金剛峯寺からは蛇腹道を西へ歩くと、伽藍の東の入口近くで金剛峯寺浄水所に着く。

Q&A

Q金剛峯寺浄水所は何の建物ですか?
A壇上伽藍を参拝する前に手と口を清める手水舎です。浄水場ではありません。
Q金剛峯寺浄水所はどこにありますか?
A壇上伽藍の東端、蛇腹道(蛇腹路)の南側にあります。金剛峯寺の方から伽藍へ歩くと途中で目に入ります。
Q金剛峯寺浄水所はいつ建てられましたか?
A昭和33年(1958年)に、高野山開創1150年記念大法会の事業の一環として建てられました。
Q金剛峯寺浄水所はいつ登録有形文化財になりましたか?
A令和7年(2025年)8月6日に登録有形文化財(建造物)として登録されました。
Q金剛峯寺浄水所の特徴は?
A鉄筋コンクリート造の切妻造で四方を吹き放ち、中央に水盤を据えています。内外をすべて白く塗り、三方に金属製の手摺を立てています。

基本情報

名称金剛峯寺浄水所
所在地和歌山県伊都郡高野町大字高野山字本中院谷152-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和7年(2025年)8月6日登録
員数1棟
寸法面積34㎡(鉄筋コンクリート造、銅板葺)
所有者宗教法人金剛峯寺
公開状況常時利用・見学可(手水舎)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「金剛峯寺浄水所」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015496
文化庁「文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)」令和7年3月21日
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/94187801_01.pdf
総本山金剛峯寺「金剛峯寺壇上伽藍の3件の建物が国登録有形文化財に登録されます」
https://www.koyasan.or.jp/sp/news/2025/03/21/6824/
総本山金剛峯寺「高野山の見どころ」
https://www.koyasan.or.jp/meguru/
総本山金剛峯寺「関係各所料金表」
https://www.koyasan.or.jp/kongobuji/charges/
総本山金剛峯寺「ご参拝の心得」
https://www.koyasan.or.jp/guidance/

最終更新日: 2026.09.23