岡﨑家住宅(旧栗須家住宅)とは

岡﨑家住宅(旧栗須家住宅)は、和歌山県新宮市高田の里高田(さとたかた)集落にある旧家の屋敷で、江戸時代末期から明治時代後期にかけて建てられた主屋・蔵・納屋・石塀の4件が、令和6年(2024年)8月15日に国の登録有形文化財に登録された(文化庁)。読みは「おかざきけじゅうたく(きゅうくりすけじゅうたく)」である。

文化審議会は令和6年(2024年)3月15日の答申で、この屋敷を里高田集落の中央部に位置する旧家として紹介し、4件をまとめて登録有形文化財とするよう求めた。名称は「岡﨑家住宅」に「旧栗須家住宅」を括弧で添えた形をとっている。

新宮の市街地からは西へ直線でおよそ8キロ。高田川の流域に開けた集落の中ほどに、石塀で三方を囲まれた屋敷が残る。

屋敷の構え

文化庁の解説によれば、主屋は敷地の北寄りに東を正面として建つ。納屋はその南に、蔵は敷地南東隅の一段高い場所に建ち、どちらも北を正面とする。

屋敷地の外周には、北・東・西の三方をコの字形に囲む石塀が折れ曲がりながら廻り、総延長は約76メートルに及ぶ。東と西の面の南寄りを切り欠いて出入口とし、塀は防風の役目も兼ねていたとされる(文化庁)。

主屋が東を向き、納屋と蔵が北を向くので、3棟の正面は主屋の前に広がる庭の側へ寄り集まる。配置から読むかぎり、この庭が屋敷の作業と出入りの中心だったと考えられる。

年代と屋根の移り変わり

4件のうち古いのは江戸時代末期の主屋と石塀で、蔵は元治2年(1865年)、納屋は明治時代後期の建築である(文化庁)。主屋は昭和40年(1965年)頃、蔵と納屋は平成10年(1998年)頃に改修を受けた。

いまの屋根は主屋が瓦葺、蔵と納屋が鉄板葺だが、主屋と蔵にはかつての杉皮葺のなごりがある。文化庁は主屋を旧杉皮葺の屋根勾配を残す民家、蔵を旧杉皮葺の貴重な板蔵と評価している。

登録された4件

  • 主屋:木造平屋建、瓦葺、建築面積109平方メートル。江戸時代末期、昭和40年(1965年)頃改修。登録番号30-0369
  • 蔵:木造2階建、鉄板葺、建築面積22平方メートル。元治2年(1865年)、平成10年(1998年)頃改修。登録番号30-0370
  • 納屋:木造2階建、鉄板葺、建築面積61平方メートル。明治時代後期、平成10年(1998年)頃改修。登録番号30-0371
  • 石塀:石造、総延長76メートル。江戸時代末期。登録番号30-0372

4件とも登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である(文化庁、和歌山県)。

見学について

岡﨑家住宅(旧栗須家住宅)は個人の住まいとみられ、文化庁データベースに所有者の記載はない。一般公開や内部見学の案内は、2026年時点で公的な資料に見当たらない。訪れる場合は敷地に立ち入らず、道路から眺める範囲にとどめたい。

所在地は新宮市高田1702で、JR紀勢本線の新宮駅から西へ直線でおよそ8キロ離れている(所在地の座標からの概算)。公式のアクセス案内はない。

参考文献

岡﨑家住宅(旧栗須家住宅)主屋(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00015078
岡﨑家住宅(旧栗須家住宅)蔵(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00015079
岡﨑家住宅(旧栗須家住宅)納屋(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00015080
岡﨑家住宅(旧栗須家住宅)石塀(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00015081
文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)令和6年3月15日(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/94080301_03.pdf
国登録有形文化財(和歌山県)
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500700/mokuroku/d00155458.html

最終更新日: 2026.10.15

基本情報

名称岡﨑家住宅(旧栗須家住宅)
所在地和歌山県新宮市高田1702
指定登録有形文化財 4件
座標33.72831, 135.90903