杉皮葺とは

杉皮葺は、杉の樹皮を剥いで平らに伸ばしたものを重ねて葺き、竹や押縁の横木で押さえた屋根である。瓦に比べて軽く、素朴で柔らかな風合いをもつ。

門や塀、茶室、数寄屋造の建物、農家の付属屋などに多く用いられる。近い葺材に檜皮葺があるが、檜皮葺は檜の樹皮を細かく整えて竹釘で打ち留め、厚く積み重ねて曲面をつくる、社寺の格式ある屋根に用いられる技法で、押さえ木で留める簡素な杉皮葺とは技法も用途も異なる。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では「切妻造杉皮葺」「屋根は杉皮葺とする」のように書かれる。和歌山県日高川町の旧家の表門は、間口三間の棟門で、屋根を切妻造杉皮葺とし、同じ屋敷の塀も屋根を杉皮葺とする。和歌山県海南市の一木旅館の門は、切妻造杉皮葺の腕木門で、出節の柱に両折れ板戸を建て、数寄を凝らした近代和風の門塀とされる。

杉皮は傷みやすく、葺き替えや別の材への取り替えが多い。記録の葺材が現状と異なる場合は、記録の年代に注意したい。現地では、屋根面に樹皮の繊維の模様が見え、竹や細い木で横に押さえてあれば杉皮葺である。

参考文献

寒川家住宅表門|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009822
寒川家住宅塀|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009823
一木旅館門及び塀|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00014289

最終更新: 2026.09.26