檜皮葺とは
檜皮葺は、ヒノキの樹皮を薄くはいで少しずつ重ね、竹釘で留めながら葺く屋根である。瓦や板と違って材が薄くしなやかなため、曲面のある屋根面にもよく追従する。
国指定文化財等データベースでは、屋根の形に続けて葺材として記される。愛知県の幡頭神社本殿は「一間社、入母屋造、妻入、正面庇付、檜皮葺」、福岡県の髙祖神社本殿は「三間社流造、檜皮葺」と記録されている。屋根の形と葺材は別の情報なので、同じ檜皮葺でも入母屋造のものと流造のものがある。
寺院にも用いられる。和歌山県の金剛峯寺本坊には「桁行三間、梁間三間、一重、宝形造、向拝一間、檜皮葺」と記録された建物がある。宝形造は屋根面が頂点に集まる四角錐状の形式で、これも曲面をもつ屋根にあたる。
規模の大小は問わない。奈良県の中之坊稲荷社は「木造平屋建、檜皮葺、建築面積1.4㎡」と記録された小さな社である。
瓦葺との見分け方
軒先を横から見るのが早い。檜皮葺の軒先は薄い層が積み重なった断面を見せ、刃物で切りそろえたように平滑な線を描く。瓦葺のような凹凸の反復がなく、屋根面全体がなめらかな曲面としてつながる。
色は葺いた直後が明るい茶で、時間とともに黒褐色に変わる。写真の年代によって印象が違って見えるため、色から葺材を判断しない方がよい。
檜皮は一定の年数ごとに葺き替えることを前提とした材である。記録に「板葺銅板仮葺」のような表記が現れることがあり、これは本来の葺材が整うまで銅板で仮に覆っている状態を示す。屋根の材は建てられた当初のままとは限らない。
参考文献
- 文化庁 文化財の紹介 国宝・重要文化財(建造物)
- https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/kokuho_bunkazai.html
- 国指定文化財等データベース(文化庁)幡頭神社本殿/一間社、入母屋造、妻入、正面庇付、檜皮葺
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/00005447
- 国指定文化財等データベース(文化庁)髙祖神社本殿/三間社流造、檜皮葺
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/00005500
- 国指定文化財等データベース(文化庁)金剛峯寺本坊/宝形造、向拝一間、檜皮葺
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/00005531
- 国指定文化財等データベース(文化庁)中之坊稲荷社/木造平屋建、檜皮葺、建築面積1.4㎡
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014195
最終更新: 2026.08.30