本堂に縁で連なる近代の書院

宝珠院書院は、本堂の北東に縁で接続する昭和4年(1929年)の書院建築である。愛知県西尾市吉良町吉田の境内に建ち、東西棟の寄棟造、桟瓦葺、建築面積は約113平方メートルの木造平屋建。昭和後期に改修を受けている。

江戸期の様式をもつ本堂に対し、書院は近代の建物である。格式ある近代和風の接客空間として造られ、寺が客を迎える場にあたる。宝珠院自体は浄土宗西山深草派の寺で、開創は宝徳2年(1450年)頃と伝わる。本堂・書院・忠魂堂と時代の異なる建物が一境内に並ぶ点も、この寺の見どころといえる。

登録の理由と価値

平成29年(2017年)10月27日、登録有形文化財に登録された(登録番号23-507)。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、本堂・忠魂堂とともに一括で登録された三棟のひとつである。

価値の中心は、整った座敷まわりの構成と造作の質にある。上ノ間と次ノ間からなり、四周に広縁を廻らす。近代に受け継がれた書院造の要素を一式そなえ、保存状態もよい。

見どころ

造作の見どころは上ノ間に集まる。三畳の大床という広い床の間を備え、その脇には一畳の踏込をもつ床脇が続く。いずれも格天井を張り、寺院の接客空間としては壮大な造りとなっている。付書院も設けられ、書院造の要素がそろう。

これらを合わせると、この一室は近代へと受け継がれた書院様式の到達点を示すものといえる。

書院は現役の寺の一部である。宝珠院は三河七福神の寿老尊の札所として年中行事が続く。庭には富士を象った笠松が枝を低く広げる。推定樹齢200年を超えるとされ、豪商三原屋にちなんで「三原の松」と呼ばれている。

Q&A

Q書院とは何か。
A床の間・床脇・付書院などを備えた格式ある接客の座敷を指す。宝珠院書院はこれらを一式そなえる。
Qいつ建てられたのか。
A昭和4年(1929年)の建立で、昭和後期に改修された。隣接する江戸期の本堂より新しい近代の建築である。
Q見学できるのか。
A現役の寺院の一部で、常時公開の施設ではない。拝観を希望する場合は事前に寺へ問い合わせるとよい。
Q本堂とのつながりは。
A本堂の北東隅に縁で接続し、本堂と一体の構成をなしている。
Qアクセスは。
A西尾市吉良町吉田に所在。自動車が便利で、鉄道は名鉄西尾線が最寄りとなる。

基本情報

名称宝珠院書院(ほうしゅいんしょいん)
所在地愛知県西尾市吉良町吉田石池18
指定区分登録有形文化財(登録番号23-507)
登録年月日平成29年(2017年)10月27日
年代昭和4年(1929年)、昭和後期改修
構造及び形式木造平屋建、瓦葺、寄棟造。建築面積約113平方メートル
員数1棟
所有者宗教法人宝珠院
公開状況現役の寺院の一部。拝観は事前問い合わせが確実

参考文献

国指定文化財等データベース「宝珠院書院」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011968
宝珠院書院(西尾市公式ウェブサイト)
https://www.city.nishio.aichi.jp/sportskanko/bunkazai/1001485/1001611/1001695/index.html
宝珠院(西尾市)(ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/宝珠院_(西尾市)

最終更新日: 2026.07.10