徳川美術館本館とは
徳川美術館本館は、名古屋市東区徳川町にある昭和10年(1935年)竣工の展示施設で、平成9年(1997年)に登録有形文化財(建造物)へ登録された。尾張徳川家に伝わった道具類を収め、公開するために建てられた建物である。
構造は鉄骨鉄筋コンクリート造、地上1階地下1階建。建築面積は506平方メートル。屋根は瓦葺で、緑色の釉薬をかけた瓦を用いる。外壁は城壁を思わせる面の取り方でめぐらされ、屋根の上には鯱が置かれている。
文化庁の記録によれば、設計競技の1等案をもとに吉本与志雄が実施設計を行い、施工は竹中工務店が担当した。美術館自身の説明では、外観のデザインを公募したうえで昭和7年(1932年)に着工し、昭和10年(1935年)に完成している。着工から完成まで3年をかけた計算になる。
徳川美術館本館が登録された理由
徳川美術館本館の登録基準は「造形の規範となっているもの」である。登録有形文化財は平成8年(1996年)に始まった届出制の保護制度で、徳川美術館本館はその3回目の登録で選ばれている。登録番号は23-0003。愛知県内でもごく初期の登録にあたる。
文化庁の解説は、この建物を「いわゆる帝冠様式」と位置づける。鉄骨や鉄筋コンクリートの躯体に和風の瓦屋根を載せる意匠で、昭和初期の官庁建築や博物館に広く採られた。徳川美術館本館は、その手法を大名家の所蔵品を収める私立の施設に用いた例である。
同じ日に、西隣の徳川美術館南収蔵庫も登録された。登録番号は南収蔵庫が23-0004で、設計者も施工者も共通する。2棟は接続しており、外観をひとつづきのものとして構成している。徳川美術館本館だけを切り離して評価したのではなく、収蔵と展示を担う一組の建物として近代の美術館建築が評価されたことがわかる。
徳川美術館本館の見どころ
建物の前に立つと、まず壁面の厚みに気づく。徳川美術館本館の外壁は城郭の塀を思わせる扱いで、住宅地のなかでこの一角だけが違う質感を持っている。
屋根を見上げると、緑色の釉薬瓦が光を鈍く返す。棟には鯱が据えられている。文化庁の解説は、城壁を思わせる外壁、緑色釉薬瓦の屋根、そして鯱という3点を外観意匠の要として挙げており、この順に目で追うと設計の意図をたどりやすい。
内部は展示室として使われている。美術館のフロアマップは、名品コレクション展示室、蓬左文庫展示室と並べて「本館展示室」を示す。玄関ホールは昭和62年(1987年)に増築された新館にあるため、来館者は新館から入り、順路の後半で徳川美術館本館に足を踏み入れることになる。
敷地の西寄りでは、同じ年に完成した南収蔵庫が接続する。並べて眺めると、瓦屋根と重い壁面が連続する一群として計画されたことが見てとれる。
徳川美術館本館の見学方法
徳川美術館本館は展示室として公開されており、美術館の入館料を払えば内部を見学できる。開館時間は午前10時から午後5時まで、入館は午後4時30分までとなっている。休館日は月曜日で、祝日や振替休日にあたる場合は直後の平日が休みになる。
入館料は徳川美術館と名古屋市蓬左文庫の共通で、一般2,000円、高校生と大学生は1,200円、小学生と中学生は無料である。館内の見学時間の目安は60分から90分。再入館はできないため、順路を戻る予定があるなら退館前に済ませておきたい。
展示室内では、スマートフォン、タブレット端末、コンパクトカメラでの撮影ができる。ただし一部に撮影できない作品があり、その表示は展示室入口の掲示で確認する。
最寄り駅はJR中央線の大曽根駅で、南出口から徒歩約10分。地下鉄名城線の大曽根駅からはE5番出口を使い、徒歩約15分かかる。バスなら市営バスまたは名鉄バスの「徳川園新出来」停留所が近く、下車して徒歩約3分である。館内は車椅子やベビーカーで見学でき、無料の貸出もある。
Q&A
- 徳川美術館本館は見学できますか。開館時間と入館料は?
- 展示室として公開されています。開館時間は午前10時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)、休館日は月曜日です。入館料は蓬左文庫との共通で一般2,000円、高校生と大学生1,200円、小学生と中学生は無料です。
- 徳川美術館本館はいつ建てられ、いつ登録有形文化財になりましたか?
- 昭和10年(1935年)の竣工です。昭和7年(1932年)に着工しました。登録有形文化財への登録は平成9年(1997年)6月12日で、登録番号は23-0003です。
- 徳川美術館本館の中で写真撮影はできますか?
- 展示室内ではスマートフォン、タブレット端末、コンパクトカメラでの撮影ができます。一部に撮影できない作品があるため、展示室入口の掲示を確認してください。
- 徳川美術館本館へはどう行けばよいですか。最寄り駅からの所要時間は?
- JR中央線の大曽根駅南出口から徒歩約10分です。地下鉄名城線の大曽根駅E5番出口からは徒歩約15分、市営バスまたは名鉄バスの「徳川園新出来」停留所からは徒歩約3分です。
- 徳川美術館本館と新館はどう違いますか?
- 徳川美術館本館は昭和10年(1935年)の建物で、登録有形文化財に登録されています。新館は開館50周年を記念して昭和62年(1987年)に建てられた別棟で、玄関ホールはこちらにあります。
基本情報
| 名称 | 徳川美術館本館 |
|---|---|
| 所在地 | 愛知県名古屋市東区徳川町1017 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成9年(1997年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積506平方メートル、鉄骨鉄筋コンクリート造地上1階地下1階建、瓦葺 |
| 所有者 | 財団法人徳川黎明会 |
| 公開状況 | 展示室として公開(入館料が必要) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 徳川美術館本館(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00000212
- 来館のご案内(徳川美術館)
- https://www.tokugawa-art-museum.jp/visitor-information/
- よくあるご質問(徳川美術館)
- https://www.tokugawa-art-museum.jp/faq/
- 国登録文化財(名古屋市)
- https://www.city.nagoya.jp/kankou/rekishi/1017268/1034462/1017208.html
最終更新日: 2026.09.02