有楽苑とは
有楽苑は、愛知県犬山市犬山御門先にある名古屋鉄道の日本庭園で、昭和47年(1972年)に国宝の茶室如庵をこの地へ移築して整えられた。苑内には如庵と、重要文化財の旧正伝院書院の2棟の指定建造物が並ぶ。所在地は犬山市犬山御門先1番地、国宝犬山城の東にあたる。
2棟はいずれも、織田信長の実弟である織田有楽斎(1547〜1621年)が京都の建仁寺に再興した塔頭正伝院のなかに、元和4年(1618年)ごろ建てたものである。文化庁によれば、有楽斎は大坂夏の陣の後にこの正伝院を隠居所とし、茶室の如庵と、それに隣接する住まいの書院を営んだ。
京都から犬山までの移築
文化庁の解説によると、如庵は明治時代の末に露地と書院とともに三井家の所有となり、東京の邸内に移された。如庵はその後、昭和13年(1938年)に神奈川県へ移り、さらに昭和47年(1972年)に現在地へ移されている。愛知県の観光サイトと有楽苑の公式サイトは、この最後の移築が名古屋鉄道によるもので、如庵が京都にあった時代の庭をできるかぎり再現する形で有楽苑が整備されたと説明している。
庭園の監修は、昭和を代表する建築家の堀口捨己が務めた(公式サイト)。有楽斎の名を冠した苑の名も、こうした来歴に由来する。
苑内の配置と指定
苑内には指定建造物が2棟ある。国宝の如庵は二畳半台目の茶室で、昭和11年(1936年)に旧国宝保存法による国宝となり、文化財保護法のもとで昭和26年(1951年)に改めて国宝に指定された。重要文化財の旧正伝院書院は有楽斎の隠居所で、昭和19年(1944年)に指定された。公式サイトは、書院を如庵に隣接して建てられたものと説明している。
このほか、有楽斎が大坂天満に構えた茶室を古図にもとづいて苑の造成時に復元した元庵と、苑内の茶会のために昭和61年(1986年)に新築された弘庵がある(犬山市観光協会)。この2棟は文化財の指定を受けていないが、呈茶や貸席に使われている。
開苑時間・料金・アクセス
公式サイトによれば、開苑時間は午前9時30分から午後5時(入苑は午後4時30分まで)、休日は毎週水曜日と年末年始(12月29日〜1月1日)で、ほかに苑内のメンテナンスによる休苑日がある。愛知県と犬山市観光協会の案内は、水曜日が祝日の場合は営業し、振替の休日を設けるとしている。入苑料は大人1,500円、小人800円で、国宝犬山城とのセット券は2,000円。弘庵での呈茶は一服600円、受付は午前10時から午後4時まで。
名鉄犬山線の犬山遊園駅から徒歩8分で、犬山遊園駅へは名鉄名古屋駅から特急でおよそ30分。駐車場は隣接するホテルインディゴ犬山有楽苑と共用で、無料で使える。苑内にはトイレと売店があり、禁煙である(犬山市観光協会)。
如庵と旧正伝院書院の建物内部は普段は公開されておらず、予約制の特別見学会のときだけ入ることができる。内容と料金は各棟のページにまとめた。行事によって公開が制限される日もあるので、出かける前に公式サイトのお知らせを確かめたい。
参考文献
- 如庵(国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/1240
- 旧正伝院書院(国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/1241
- 有楽苑について(日本庭園 有楽苑 公式サイト)
- https://www.meitetsu.co.jp/urakuen/guide/index.html
- ご利用案内(日本庭園 有楽苑 公式サイト)
- https://www.meitetsu.co.jp/urakuen/info/index.html
- 日本庭園 有楽苑(国宝茶室「如庵」)(愛知県公式観光サイト Aichi Now)
- https://aichinow.pref.aichi.jp/spots/detail/179/
- 日本庭園 有楽苑(犬山観光ナビ 犬山市観光協会)
- https://inuyama.gr.jp/experience/detail/9/
最終更新日: 2026.10.02
基本情報
| 名称 | 有楽苑 |
|---|---|
| 所在地 | 愛知県犬山市大字犬山字御門先1番地 |
| 所有者 | 名古屋鉄道株式会社 |
| 指定 | 国宝 1件・重要文化財 1件 |
| 座標 | 35.38804, 136.94229 |