文化元年創業、永平寺町松岡の酒蔵「黒龍」の本社

黒龍酒造は、福井県吉田郡永平寺町松岡春日にある文化元年(1804年)創業の酒蔵で、本社の敷地に建つ店舗兼主屋・離れ・東門の3件が、平成23年(2011年)7月25日に国の登録有形文化財に登録された。

読みは「こくりゅうしゅぞう」。会社の沿革によると、初代の石田屋二左衛門が石田屋本家から分家し、いまの松岡春日で酒造りを始めたのが起こりである。「石田屋」は創業時の屋号で、現在は会社の最上位の銘柄名と、蔵元直営の販売会社の名に受け継がれている。

明治27年(1894年)からは「水野酒造場」の名で営業した。会社はこの時期の資料に、九頭竜川の古い呼び名「黒龍川」にちなむ銘柄「黒龍」の記録があると説明している。組織を「黒龍酒造株式会社」に改めたのは昭和38年(1963年)で、本社はいまも創業の地である松岡春日1-38に置かれている。

本町通りに並ぶ店舗兼主屋・離れ・東門

黒龍酒造で登録された3件は、文化庁のデータベースでいずれも年代が「昭和前期」とされ、登録番号は18-0100から18-0102までの連番である。登録基準は3件とも「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、通りに沿った屋敷構えが一つの景観として評価された。

  • 黒龍酒造店舗兼主屋:本町通りに南面する大型の町家。間口15メートル、奥行12メートル、建築面積195平方メートル
  • 黒龍酒造離れ:店舗兼主屋の東面寄りに接する入母屋造の離れ座敷。木造平屋建、建築面積54平方メートル
  • 黒龍酒造東門:離れの南庭を挟んで通りに面する腕木門。間口2.7メートル

文化庁の解説を並べると、敷地の配置が読み取れる。通りの正面に店舗兼主屋が構え、その東寄りの奥に離れが接し、離れの前に南庭が開ける。庭の通り側をふさぐ位置に東門が立つ。通りを歩くと、大きな町家の表構えと、黒壁の小さな門とが並んで目に入ることになる。

文化庁のデータベースは所有者欄を空欄にしている。直営店を営む石田屋の案内は、店舗兼主屋にあたる母屋を「黒龍酒造の持つ建物の中で一番古い建物」と説明している。

黒龍酒造の見学方法とアクセス

黒龍酒造の店舗兼主屋は、蔵元直営店「石田屋本店」として使われている。石田屋の案内によると営業は午前10時から午後4時30分で、日曜日が定休日、ほかにも不定休がある。営業日は石田屋のサイトで確かめてから出かけたい。

酒蔵の見学は行っていない。店舗が小さいため観光バスでの来店は遠慮を求めており、ペットを連れて敷地に入ることもできない。駐車場は3台分である。撮影についての案内は公表されていないので、店内で写真を撮りたいときは店の人に尋ねるのがよい。

公共交通では、えちぜん鉄道勝山永平寺線の松岡駅から歩いて6分ほど。車なら北陸自動車道の福井北インターチェンジから3分である。黒龍酒造が令和4年(2022年)に開いた石田屋ESHIKOTO店は別の場所にある店舗で、登録された3件は松岡春日の本社の敷地にある。

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):黒龍酒造店舗兼主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008679
国指定文化財等データベース(文化庁):黒龍酒造離れ
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008680
国指定文化財等データベース(文化庁):黒龍酒造東門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008681
文化遺産オンライン:黒龍酒造店舗兼主屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/233140
文化遺産オンライン:黒龍酒造離れ
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/185681
文化遺産オンライン:黒龍酒造東門
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/213722
黒龍酒造:会社概要・沿革
https://www.kokuryu.co.jp/ja/company
石田屋:トップ(会社と石田屋本店の説明)
https://www.shop-ishidaya.com/ja
石田屋:石田屋本店(営業日・注意事項・アクセス)
https://www.shop-ishidaya.com/ja/about

最終更新日: 2026.10.13

基本情報

名称黒龍酒造
所在地福井県吉田郡永平寺町松岡春日1-38他
指定登録有形文化財 3件
座標36.09125, 136.29910