竹藤とは

竹藤は、福島県会津若松市中央一丁目にある江戸時代からの竹問屋の商家で、天保12年(1841年)に建った店舗を含む4棟が令和元年(2019年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「たけとう」。

竹藤を代々営んできたのは鈴木家である。登録されたのは、通りに面した竹藤店舗、その背後に続く竹藤主屋、敷地の奥に建つ竹藤竹蔵と竹藤座敷蔵の4棟。昭和47年(1972年)に14代目の鈴木英夫が竹細工と民芸品の店として商いを改め、いまは店舗で竹かごや荒物、会津唐人凧を売り、主屋を「たけとう茶屋」として開いている。

一之町の竹問屋

竹藤の公式サイトに載る年譜によると、家には文化4年(1807年)の竹問屋株人別帳の写しが残り、それより前から竹問屋を営んでいたことが分かる。酒どころの会津では酒樽を締める箍(たが)に竹が大量に使われ、竹問屋の大きな収入源になっていたと店は説明する。竹藤は寛永元年(1624年)の創業を掲げ、会津若松観光ビューローの案内もこの年を挙げる。ただ年譜はこの年を2代目の生年として記し、初代の開業を「この頃」と推定する書き方にとどめている。

年譜では、鈴木家は天保5年の火事(年譜は1835年とする)のあと、城下でいちばん人通りの多かった一之町、いまの中央一丁目に土地と家を買って移った。そこには文政6年(1823年)に建った蔵がすでにあり、これがいまの竹藤座敷蔵である。移って5年ほど後の天保12年(1841年)にも火事に遭い、蔵は屋根を傷めただけで済んだが、店舗と主屋は建て直され、その年の7月に建前をした。年譜はこれを現在の建物としている。

ただし文化庁のデータベースは、竹藤店舗を天保12年(1841年)とする一方、竹藤主屋は明治前期(1868〜1882年)としている。店の再生プロジェクトの記録にも、主屋は明治初期の火事で一部が建て替えられたと聞いている、という記述がある。

嘉永5年(1852年)には8代目の鈴木藤助が竹問屋頭となった。文久2年(1862年)には、天明5年(1785年)に別の場所で建った蔵を竹の貯蔵蔵として敷地に移している。これが竹藤竹蔵である。会津若松市は竹藤を、戊辰戦争の戦火を免れて残った木造の商店建築として評価している。

竹藤の4棟と登録

竹藤の4棟は令和元年(2019年)12月5日付で登録有形文化財となり、登録番号は07-0220から07-0223まで続く。登録の基準は、竹藤店舗と竹藤座敷蔵が「国土の歴史的景観に寄与しているもの」、竹藤主屋と竹藤竹蔵が「造形の規範となっているもの」である。文化庁のデータベースに載る年代・構造・規模は次のとおり。

  • 店舗:天保12年(1841年)、昭和45年(1970年)改修。木造2階建、金属板葺、建築面積82㎡
  • 主屋:明治前期(1868〜1882年)。木造平屋建、金属板葺、建築面積73㎡
  • 竹蔵:天明5年(1785年)、文久2年(1862年)移築、昭和60年(1985年)頃改修。土蔵造2階建、金属板葺、建築面積77㎡
  • 座敷蔵:文政6年(1823年)、昭和58年(1983年)と同60年頃改修。土蔵造2階建、金属板葺、建築面積46㎡

会津若松市は平成10年度(1998年度)に、竹藤を市の歴史的景観指定建造物の第10号とした。市の説明は、店舗のはめ込み戸と2階の竹すだれに当時の商店の店構えがうかがえるとし、店先の竹細工や民芸品も町の雰囲気をつくっていると述べる。建築年は天保12年(1842年)と書かれており、同じ天保12年を文化庁のデータベースは1841年としている。

竹藤の再生プロジェクトの記録は、2019年7月に国の登録有形文化財として認定を受けたとしている。文化庁のデータベースが記す登録年月日は同じ年の12月5日である。

竹藤の屋敷構え

竹藤店舗は通りに南面して建ち、間口は7間ある。その北の背面に竹藤主屋が接し、主屋の東側を通る廊下の外が中庭になっている。敷地の北西には竹藤竹蔵、北東には竹藤座敷蔵が、どちらも南北に棟を通して建つ。店はこの奥に長い敷地の町家造りを「うなぎの寝床」と呼び、会津に唯一残るものとして紹介している。

4棟の屋根はいまはどれも金属板葺である。竹蔵は南の妻の上部に竹藤の屋号である井桁の印を漆喰で塗り出し、座敷蔵は南の妻に漆喰塗の扉を両開きに構える。通りから奥へ、店、住まい、蔵の順に建物が連なる。各棟の造りと見どころは、それぞれのページにまとめた。

竹藤の見学とアクセス

竹藤店舗は竹細工・荒物・民芸品と会津唐人凧の店として営業している。公式サイトの案内では、営業時間は午前10時から午後5時まで、水曜日が定休である(2026年10月確認)。店の一角は2022年から、作り手が棚を借りて出店する「Space たけとらたん」になっている。

竹藤主屋は2020年5月に修復を終え、町家カフェの「たけとう茶屋」と商家歴史史料館として開いている。茶屋の営業時間は午前11時から午後4時までで、水曜日と木曜日が休み。1月から3月15日までは午後3時に閉め、日曜日も休む。公式サイトは、史料館は見学だけでもよく、写真撮影やSNSへの投稿も歓迎すると案内している。竹藤竹蔵と竹藤座敷蔵の内部を公開しているかどうかは、公式サイトでは確かめられなかった。

会津若松観光ビューローの案内では、竹藤で受けられる体験の料金は、会津唐人凧づくりが1,200円、会津の風車づくりが850円である。

竹藤へは、JR会津若松駅と七日町駅のどちらからも歩いて約15分である。車なら、竹藤の北東の角にある民間の駐車場(ハッピーパーキング)が使え、たけとう茶屋で1,000円以上利用すると30分、1,800円以上で1時間が無料になる(公式サイト)。

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)竹藤店舗
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013027
国指定文化財等データベース(文化庁)竹藤主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013028
国指定文化財等データベース(文化庁)竹藤竹蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013029
国指定文化財等データベース(文化庁)竹藤座敷蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013030
会津若松市 会津若松市歴史的景観指定建造物詳細
https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2009020200238/
会津若松市 会津若松市の文化財件数(令和7年11月20日現在)
https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2012100500043/file_contents/bunkazai2025.pdf
竹藤・たけとう茶屋 竹藤、たけとう茶屋の紹介
https://www.taketou.net/pages/2608868/page_201902151038
竹藤・たけとう茶屋 竹藤の歴史
https://www.taketou.net/pages/2608880/page_201902151049
竹藤・たけとう茶屋 再生プロジェクト(~2019年)
https://www.taketou.net/pages/2608888/page_201902151054
竹藤・たけとう茶屋 商家歴史史料館
https://www.taketou.net/pages/2608939/page_201902151116
竹藤・たけとう茶屋 アクセス・お問合せ
https://www.taketou.net/pages/2608950/page_201902151121
竹藤・たけとう茶屋 会津唐人凧の店
https://www.taketou.net/pages/9406628/page_202511272306
会津若松観光ナビ(会津若松観光ビューロー)竹藤
https://www.aizukanko.com/souvenir/23

最終更新日: 2026.10.07

基本情報

名称竹藤
所在地福島県会津若松市中央一丁目69
指定登録有形文化財 4件
座標37.49829, 139.92995