ビシャン叩とは
ビシャン叩は、石の表面を仕上げる方法の一つである。ビシャンと呼ぶ、先端に細かな角錐の刃を碁盤目状に並べた槌で石の面を叩き、一面に細かな刻み目を付ける。国土交通省の石積み資料は、ビシャン仕上げを石の表面をたたいて細かい刻み目を入れることと説明している。
仕上がった面は、均一な細かいざらつきをもち、光を柔らかく反射して落ち着いた表情になる。滑りにくいため、橋や階段、敷石の表面にも向く。平らにはつる江戸切や、中央を盛り上げたこぶ出しとは仕上げの表情が異なり、さらに細かい刻みを付ける小叩きと組み合わせることもある。花崗岩のような硬い石にも、凝灰岩のようなやわらかい石にも用いられる。
記録と実物で見分ける手がかり
記録では「ビシャン叩仕上」「ビシャン叩き」のように、石材と組み合わせて書かれる。岡山県倉敷市の野﨑武左衛門翁旌徳碑石橋は、表面をビシャン叩仕上とした花崗岩を用い、橋長4.4メートル、頂部を四角錐とした親柱を四隅に配する太鼓橋風の石橋である。岩手県一関市の佐藤家住宅の正門及び石塀は、花崗岩江戸切の下部と、凝灰岩ビシャン叩きの上部、笠石からなり、部位ごとに石材と仕上げを変えている。
現地では、石の表面に細かな点状の刻み目が均一に並んでいるかを見る。斜めに光が当たると刻み目の粒立ちがよく分かる。
参考文献
- 野﨑武左衛門翁旌徳碑石橋|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004180
- 佐藤家住宅正門及び石塀|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003030
- 河川の景観形成に資する石積み構造物の整備に関する資料|国土交通省
- https://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/kankyo/stone-structure/s-1.pdf
最終更新: 2026.09.27