花崗岩とは

花崗岩は、地下深くでマグマがゆっくり冷えて固まった深成岩で、石英・長石・雲母などの鉱物が粗い粒となって組み合っている。白や灰色の地に黒い粒が散る外観が一般的で、御影石とも呼ばれる。国土交通省の石積み資料は、花崗岩の吸水率を0.1〜0.5%程度とし、安山岩や砂岩、凝灰岩に比べて水を吸いにくい石として示している。

硬く耐久性が高いため、門柱や石塀、石橋、石垣、建物の基礎、記念碑などに広く用いられてきた。一方で加工に手間がかかり、大谷石や笏谷石のようなやわらかい凝灰岩に比べて、切り出しや仕上げに時間を要する。表面の仕上げには、平らにはつる江戸切、周囲を平らにして中央を盛り上げたこぶ出し、細かな刻み目を付けるビシャン叩などがある。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では「花崗岩製」「花崗岩江戸切」のように、材料と仕上げを組み合わせて書かれる。三重県四日市市の旧平田家住宅門柱は花崗岩製の門柱で、柱頭のコーニス下に雷文を刻む。岡山県倉敷市の野﨑武左衛門翁旌徳碑石橋は、表面をビシャン叩仕上とした花崗岩を用いた石造の桁橋である。岩手県一関市の佐藤家住宅の石塀は、花崗岩江戸切の下部と凝灰岩ビシャン叩きの上部、笠石からなり、硬い花崗岩を下に、やわらかい凝灰岩を上に使い分けている。愛知県岡崎市の岩津高等学校の旧門柱は、花崗岩製の角柱の柱身を江戸切こぶ出し仕上げとする。

現地では、石の表面に白・灰色・黒の粒が混じった粗い組織が見えるかを確かめる。仕上げの種類によって表情が大きく変わるので、記録の仕上げの語とあわせて見るとよい。

参考文献

旧平田家住宅門柱|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010824
野﨑武左衛門翁旌徳碑石橋|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004180
佐藤家住宅正門及び石塀|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003030
愛知県立岩津高等学校正門旧門柱|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011715
河川の景観形成に資する石積み構造物の整備に関する資料|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/kankyo/stone-structure/s-1.pdf

最終更新: 2026.09.27