「清波」の額を掲げた石造アーチの坑口
下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口は、山口県下関市大字内日上字下瀬戸にある昭和4年(1929年)の石造アーチの坑門で、平成10年(1998年)1月16日に登録有形文化財に登録された。内日第二貯水池の南端、取水塔のさらに南に位置する。
文化庁のデータベースは下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口の構造を石造アーチ坑口、高さ5.4メートル、トンネル高さ3.0メートルとしている。市は、貯水池からあふれた水を流すためのトンネルの入口と説明し、文化庁の解説は排水用の隧道の入口としている。
貯水池の水位が上がりすぎたとき、余った水を安全に逃がす通り道がなければ堰堤が危うくなる。目立たない役割だが、貯水池を守るうえで欠かせない設備である。
登録の理由と価値
文化庁は下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口を「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録した。解説文は、取水塔とともに美しい水際の景観をつくっている点を挙げている。
9件の登録のなかで、分類が「土木構造物」になっているのはこの坑口だけである。ほかの8件が取水・浄水・配水や管理の施設であるのに対し、これは貯水池そのものの安全を受け持つ設備で、水道施設を一連のものとして残すうえで欠けていない部品の1つといえる。
見どころ
下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口の入口は、御影石の切石を積んだ馬蹄形のアーチである。半円より少し先まで円弧を回し込んだ形で、足元がわずかにすぼまって見える。切石の目地の通り方に注目すると、石工の仕事の丁寧さが分かる。
アーチの上には、「清波」と陰刻した石の額がはめ込まれている。清らかな波という意味の2文字で、あふれ出る水の出口にこの言葉を掲げたところに、昭和初めの水道技術者の気分がうかがえる。
北側に立つ第二貯水池取水塔のドーム屋根と、この石のアーチを一緒に視界に入れると、文化庁の解説が言う水際の景観がよく分かる。
見学方法
下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口は現役の貯水池の設備で、隧道の中には入れない。市が事前申し込みの見学を受け付けているのは水道資料室と高尾浄水場の施設で、この坑口は外から眺める形になる。
水があふれる際の放流路なので、雨の多い時期や増水時には近づかないようにしたい。撮影は立ち入れる場所から行い、「清波」の額は望遠で狙うと文字まで写しやすい。
Q&A
- 下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口はトンネルの中に入れますか?
- 入れません。下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口は現役の貯水池の設備で、外観を眺める形になります。
- 下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口は何のための施設ですか?
- 下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口は、内日第二貯水池からあふれた水を流すためのトンネルの入口です。文化庁の解説では排水用の隧道の入口とされています。
- 下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口の「清波」とは何ですか?
- 下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口のアーチの上にはめ込まれた石の額に陰刻された2文字で、清らかな波という意味です。
- 下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口の大きさはどれくらいですか?
- 文化庁のデータベースでは、下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口は坑口の高さ5.4メートル、トンネルの高さ3.0メートルです。
- 下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口はいつつくられ、いつ登録されましたか?
- 下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口は昭和4年(1929年)に内日第二貯水池とともにつくられ、平成10年(1998年)1月16日に登録有形文化財に登録されました。
基本情報
| 名称 | 下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口 |
|---|---|
| 所在地 | 山口県下関市大字内日上字下瀬戸1066 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 1998年1月16日登録 |
| 員数 | 1基 |
| 寸法 | 石造アーチ坑口、高さ5.4m、トンネル高さ3.0m |
| 所有者 | 下関市 |
| 公開状況 | 外観のみ(内部非公開) |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「下関市水道局内日第2貯水池溢水隧道入口」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000487
- 下関市「水道に関する登録有形文化財をご紹介します」
- https://www.city.shimonoseki.lg.jp/site/water/5626.html
- 下関市「水道事業の沿革を紹介します」
- https://www.city.shimonoseki.lg.jp/site/water/5621.html
最終更新日: 2026.09.27