権現造とは

権現造は、本殿と拝殿を石の間で繋いで一体とする社殿の形式である。三つの部分が別棟ではなく一続きの建物として構成される。

静岡県の久能山東照宮は正保4年の建築を含む建物群で、重要文化財の詳細解説に「久能山東照宮は、元和二年(一六一六)に死去した徳川家康を祀る霊廟として建築され、本殿、石の間、拝殿からなる権現造の本社社殿など一三棟が重要文化財に指定されている」と記されている。

石の間は本殿と拝殿の間に置かれる低い部分で、名のとおり床を石敷とした例に由来する。参拝者は拝殿に入り、石の間を隔てて本殿を拝む。

権現は仏が神の姿を借りて現れるという考え方に基づく称号で、家康は東照大権現と称された。形式の名はこれに由来する。神仏習合の思想を背景に持つ社殿形式にあたる。

記録での扱い

権現造の社殿は棟数が多い。久能山東照宮では本社社殿を含めて13棟が重要文化財に指定されている。本殿・石の間・拝殿は一体でありながら、記録上は員数がまとめて数えられることも、別に数えられることもある。

同じ詳細解説には「同時期に建てられた神饌所は、これらの社殿と一体となって境内を構成しており歴史的価値が高い」と記される。神饌所は「本殿手前の石段下に参道に向かって東面して建ち、階段状の渡廊を介して本社の石の間と接続する」と解説されており、石の間が他の建物との接続点にもなっている。

現地では本殿と拝殿の間を見るとよい。二つの屋根の間に低い屋根が挟まり、内部で行き来できる構成になっていれば権現造である。本殿と拝殿が離れて建ち、間に何もなければ別の形式にあたる。

参考文献

文化庁 文化財の紹介 国宝・重要文化財(建造物)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/kokuho_bunkazai.html
国指定文化財等データベース(文化庁)久能山東照宮/本殿、石の間、拝殿からなる権現造の本社社殿など13棟が重要文化財
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/00004487

最終更新: 2026.09.10