員数とは
員数は、指定や登録の記録に記される文化財の数量である。国指定文化財等データベースでは名称のすぐ下に置かれ、その文化財が何をいくつ含むのかを示す。
国宝又は重要文化財指定書規則は、所有者に交付される指定書に記載すべき事項の第一に、当該文化財の名称及び員数を挙げている。員数に細目がある場合、その細目は指定書に添える附書に記載され、附書は指定書の一部として扱われる。数量は記録の付随情報ではなく、指定の内容そのものにあたる。
単位は物件の種類によって変わる。建造物では棟が基本で、水道施設のように敷地全体をひとまとまりとして扱う場合には所が使われる。文書や板状の物件では枚を用い、附の棟札は6枚のように数える。名称だけを見て単位を推測せず、記録の表記をそのまま写すのが確実である。
登録有形文化財の記録にも員数の欄がある。指定と登録で制度は違うが、数量を記す考え方は共通している。
件と棟を取り違えない
建造物の統計では、件数と棟数の二つの数字が並ぶ。令和8年8月1日現在、重要文化財の建造物は2,605件5,597棟、うち国宝は233件303棟である。件は指定の数、棟は建物の数を指す。ひとつの指定が複数の棟を含むために、二つの数字が食い違う。
寺社や城郭では、複数の建物をまとめて1件として指定する例が多い。この場合の員数は、代表となる1棟の数ではなく、その指定に含まれる全体の数量になる。記録に15棟とあれば、それが指定の員数である。
美術工芸品でも同じことが起きる。一具の器物や一連の文書がまとめて指定されると、員数はその総数になる。件数の統計と個別の記録では数え方の単位が違うので、どちらの数字を引いているのかを意識して書く必要がある。
参考文献
- e-Gov法令検索 国宝又は重要文化財指定書規則(昭和二十五年文化財保護委員会規則第七号)
- https://laws.e-gov.go.jp/law/325R00000011007
- 国指定文化財等データベース(文化庁)髙祖神社本殿(附 棟札6枚)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/00005500
- 文化庁 文化財指定等の件数(令和8年8月1日現在)
- https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/shitei.html
- 国指定文化財等データベース(文化庁)朝日神社透塀(蕃塀)員数1棟
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014159
最終更新: 2026.08.30