附とは

附は、文化財を指定する際に、本体と関わりの深い物件を本体に添えて指定の対象に含める扱いを指す。つけたりと読み、附指定ともいう。

国指定文化財等データベースでは、国宝重要文化財の建造物の記録に附指定という欄があり、附があるものについては附名称と附員数が示される。たとえば福岡県糸島市の髙祖神社本殿は令和5年9月25日に重要文化財に指定された三間社流造・檜皮葺の建物で、本体の員数は1棟、これに附として棟札6枚が指定されている。棟札は建立や修理の年月と関係者を記した木札で、建物の履歴を裏づける資料にあたる。

附に選ばれるのは、それ自体を単独で指定するほどではないが、本体の価値を理解するうえで欠かせない物件である。本体と切り離して扱うと意味が失われるため、指定の一部として一緒に保護される。

附がない指定も多い。データベースの附指定欄が「なし」となっていれば、その指定は本体だけを対象としている。

書くときの注意

第一に、附の員数を本体の員数に足さないことである。髙祖神社本殿の例では、本体1棟と附の棟札6枚は別々に記録されている。基本情報の表に員数を書く場合、そこに入るのは本体の値であって、附を合算した数ではない。

第二に、附と附書は別のものである。附書はふしょと読み、国宝又は重要文化財指定書規則によって、員数に細目がある場合の細目や、建造物の構造及び形式などを記載して指定書に添える書面を指す。指定書の一部として扱われる文書であり、指定の対象に加えられる物件を指す附とは意味が違う。

第三に、附は指定の制度にともなう扱いであることである。登録の制度である登録有形文化財の記録には附指定の欄がない。登録された建物について附という語を使うと、制度を取り違えた記述になる。

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)髙祖神社本殿(附 棟札6枚)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/00005500
e-Gov法令検索 国宝又は重要文化財指定書規則(昭和二十五年文化財保護委員会規則第七号)
https://laws.e-gov.go.jp/law/325R00000011007
e-Gov法令検索 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0100000214
文化庁 文化財指定等の件数(令和8年8月1日現在)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/shitei.html

最終更新: 2026.08.30