観音菩薩とは

観音菩薩は、衆生の苦しみを見て救うとされる慈悲の菩薩である。観世音菩薩とも呼び、単に観音とも書く。

基本の姿を聖観音といい、頭上に化仏を戴く一面二臂の像で表される。奈良県の薬師寺東院堂の聖観音菩薩立像はその代表的な作例で、文化遺産オンラインの模造の記録に「原品は、薬師寺東院堂の像で銅造。その鋳造技法や銅質などから、同寺金堂の薬師如来三尊像と同時期に造られたものと考えられる。細部の装飾などに、中国・唐時代の影響がみられる」と記されている。

この基本形から、十一面観音、千手観音、如意輪観音など多くの変化観音が生まれた。頭上に十一の面を持つもの、多くの腕を持つものなど、姿によって名が分かれる。記録では「木造十一面観音立像」のように、姿を冠した名称で登録される。

阿弥陀如来の脇侍としても現れる。勢至菩薩と対をなし、阿弥陀三尊を構成する。

記録の読み方

彫刻の記録は、材質、姿勢、尊名を並べた名称で登録される。木造十一面観音立像であれば、木造で、十一面観音で、立った姿である。名称を分解すると、像の基本情報が読み取れる。

模造の記録にも注意したい。薬師寺の聖観音の模造は明治26年に山田鬼斎が木彫で模したもので、東京国立博物館が所蔵する。模造の記録に原品の解説が含まれることがあり、原品を知る手がかりになる。

観音を本尊とする堂は観音堂と呼ばれ、建物として別に記録される。像の記録と堂の記録は員数の単位が違い、像は躯、堂は棟で数える。

参考文献

文化遺産オンライン 聖観音菩薩立像(模造)/原品は薬師寺東院堂の像で銅造、金堂の薬師如来三尊像と同時期
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/526993
文化遺産オンライン 木造薬師如来及両脇侍像(薬師堂安置)/醍醐寺、平安時代、3躯、国宝
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/188776

最終更新: 2026.09.02