ハーフティンバーとは

ハーフティンバーは、柱や梁、筋かいなどの木の骨組みを外壁の表にあらわし、そのあいだを漆喰や煉瓦で埋める、ヨーロッパの木造建築の構法とその外観をいう。黒や茶の木部の線と、白い壁面との対比が特徴で、イギリスやドイツなどの中世以来の町並みに多い。

日本では、明治時代後期から昭和初期にかけて、洋風建築の意匠として取り入れられた。ただし日本の例の多くは、構造としてのハーフティンバーではなく、外壁の表面に木の化粧材を張って骨組みのように見せた装飾である。記録では「ハーフティンバー風」と書かれることが多く、切妻屋根の妻壁や建物の一部だけをこの意匠で飾る例が目立つ。

柱を壁面に見せる点は、日本の真壁と共通する。真壁は柱のあいだに壁を収め、筋かいなどの斜材を見せないのが普通であるのに対し、ハーフティンバーは斜材や細かく割り付けた木部を積極的に見せて模様とする点で異なる。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では、ハーフティンバーを用いた部分が書かれる。香川県三豊市の粟島海洋記念館本館(旧粟島海員学校本館)は、大正9年(1920年)建築の木造2階建で、外壁の下見板と、正面中央に見せたハーフティンバーの妻飾に特徴があるとされる。岩手県奥州市の後藤伯記念公民館は、本館の大きな切妻屋根の妻壁をハーフティンバー風に飾る。長崎県雲仙市の雲仙観光ホテルは、1階を溶岩石張、2階をログハウス風、3階をハーフティンバー風とする構成である。

愛知県半田市の半田赤レンガ建物には、ハーフティンバー棟の名をもつ建物がある。名称にこの語が入る場合も、構造がハーフティンバーなのか、外観の意匠なのかは記録の構造欄で確かめたい。

現地では、壁面の木部の線が柱や梁の位置と一致しているかを見る。窓や出入口の位置と無関係に斜めの線が走り、壁の厚みの中に木部が埋まっていれば構造としての骨組み、表面に薄い板を張っただけであれば装飾としてのハーフティンバーと考えられる。

参考文献

粟島海洋記念館本館(旧粟島海員学校本館)|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001140
後藤伯記念公民館|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013017
雲仙観光ホテル|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003171
半田赤レンガ建物(旧カブトビール工場)ハーフティンバー棟|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004242

最終更新: 2026.09.26