半切妻とは

半切妻は、切妻造の屋根の妻側の頂部だけを、小さく寄棟状に斜めに切り落とした屋根の形をいう。記録では「半切妻造」とも書く。妻側の下半分は切妻と同じく垂直な壁面を見せ、上部だけが小さな屋根面になるため、妻の輪郭が台形に近い形になる。

近い屋根形式との違いは、妻側の処理にある。切妻造は妻側に屋根面をもたず三角形の壁面を見せ、寄棟造は妻側まで大きな屋根面で覆う。入母屋造は下部を寄棟状に四方へ流し、上部を切妻とする形で、半切妻とは上下の関係が逆になる。半切妻は切妻に近く、頂部だけを小さく落とした形である。

日本では、近代の洋風建築や住宅、寮や社宅などに多く用いられた。ヨーロッパの住宅に見られる屋根の形にならったもので、屋根面から突き出すドーマー窓と組み合わせて洋風の外観をつくる例がある。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では「屋根を半切妻とし」のように書かれる。広島県庄原市のヤマモトロックマシン(旧山本鉄工所)の自治寮家族棟は、昭和12年(1937年)の木造三階建で、屋根を半切妻とし、ドーマー窓を載せて洋風外観とすると記録される。同じ敷地の独身棟も屋根を半切妻とし、桁行59メートルの長大な平面をもつ。一つの工場の厚生施設群が同じ屋根形式でそろえられている例である。

現地では、建物を妻側から見る。三角形の壁面の頂部が水平に切られ、その上に小さな斜めの屋根面が載っていれば半切妻である。妻壁の上端が水平になっている分、切妻造より妻の高さが低く見える。

参考文献

ヤマモトロックマシン(旧山本鉄工所)自治寮家族棟|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/221057
ヤマモトロックマシン(旧山本鉄工所)自治寮独身棟|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/243748

最終更新: 2026.09.26