本陣とは
本陣は、江戸時代の街道の宿場で、参勤交代の大名や勅使、幕府の役人などが宿泊したり休憩したりするために指定された家である。愛知県の解説は、本陣が寛永12年(1635年)に参勤交代の制度が定められたことで全国の宿駅に置かれ、諸大名のほか勅使や幕府役人などが利用し、脇本陣が本陣を補助したと説明している。
本陣を務めたのは、宿場や村の名主、問屋、庄屋などの有力な旧家が多い。大名を迎えるにふさわしい構えとして、街道に面した門、式台付きの玄関、上段の間を備えた座敷などをもつ。本陣に準じる施設を脇本陣と呼び、本陣が使われているときや、身分の低い者の宿泊にあてられた。宿泊ではなく休憩だけに使う家は、小休本陣、御小休所などと呼ばれた。
記録と実物で見分ける手がかり
本陣の建物は、名称に「本陣」の語を含むことが多く、記録では本陣としての構えや役目が書かれる。大阪府泉大津市の田中家住宅(助松本陣)の表門は、旧紀州街道沿いに建つ間口三間の長屋門風の門で、供部屋を備え、再建ではあるが旧規を踏襲し本陣にふさわしい表構えとされる。和歌山県橋本市の旧橋本本陣池永家住宅主屋は、街道に面した入母屋造の町家で、建立年代の判明している町家として県下最古とされる。長野県岡谷市の今井家住宅(今井御小休本陣)の主屋は、代々名主を務めた家で、高島藩主の巡検や参勤交代の際の休憩所として知られ、本屋の前面に式台玄関を備えた張出し部を設ける。
記事では、宿泊に使う本陣と、休憩だけに使う小休本陣を区別し、記録や自治体の資料が伝える役目に従って書きたい。
参考文献
- 美濃路稲葉宿本陣跡ひろば|愛知県公式観光サイト Aichi Now
- https://aichinow.pref.aichi.jp/spots/detail/3588/
- 田中家住宅表門|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006687
- 旧橋本本陣池永家住宅主屋|文化遺産オンライン
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/147495
- 今井家住宅(今井御小休本陣)主屋|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001381
最終更新: 2026.09.26