火焔型土器とは

火焔型土器は、縄文時代中期(約5000年前)に、新潟県の信濃川流域を中心につくられた深鉢形の土器である。口縁部に、燃え上がる炎のように見える大きな突起を四つ付け、器の表面を粘土の紐を貼り付けた隆線による渦巻文やS字状の文様で埋め尽くす。全体の姿が炎を思わせることからこの名がある。

同じ地域・時期には、口縁に短冊状の突起を並べて王冠のように見せる王冠型土器もつくられた。三条市の解説資料は、火焔型土器と王冠型土器をあわせた縄文時代中期の様式を「火炎土器様式」とし、鶏頭冠突起、袋状突起、鋸歯状のフリルなど各部位の名称を示している。煮炊きにも使われたとされる。

新潟県長岡市の馬高遺跡は、「火焔土器」の名で知られる土器が見つかった遺跡で、その地に建つ馬高縄文館は「火焔土器ミュージアム」の愛称をもつ。

記録と実物で見分ける手がかり

新潟県十日町市の笹山遺跡から出土した深鉢形土器は、国宝に指定されている。文化庁の解説は、20箇体まとまって出土した火焔形土器を中心とする深鉢形土器57点を本体とし、同時期の土器・土製品、石器・石製品、ベンガラ塊などを附として指定したものと説明する。記録では「火焔形土器」と書かれ、一般には「火焔型土器」の表記が多い。

記事では、火焔型土器と王冠型土器を区別し、国宝の指定名称が「深鉢形土器」であることにも注意したい。現地の博物館では、口縁の突起の形を見比べる。鶏のとさかのような大きな突起が四つ立ち上がっていれば火焔型、短冊状の突起が並んでいれば王冠型である。

参考文献

新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/187852
火焔型土器と王冠型土器(長野遺跡の解説資料)|三条市
https://www.city.sanjo.niigata.jp/material/files/group/12/000097175.pdf
馬高縄文館キャプション|観光庁 地域観光資源の多言語解説文データベース
https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/common/001542475.docx
古代の記憶:十日町の考古学|観光庁 地域観光資源の多言語解説文データベース
https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/common/001779623.docx

最終更新: 2026.09.27