天袋とは

天袋は、床脇の上部や押入の上など、天井に接する高い位置に設けた小さな戸棚である。襖や板戸を引き違いに建てて閉じる。書院造の床脇では、中段に違棚、上に天袋、下に地袋と呼ぶ低い戸棚を組み合わせるのが定型とされる。

天袋の戸には、絵や唐紙を張ったり、引手の金具に凝ったりして装飾とすることが多い。近代の和風住宅では、天袋の形そのものに工夫を加え、座敷の意匠の見どころとする例もある。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では、床脇の構成の一部として書かれる。兵庫県姫路市の真宗大谷派姫路船場別院本徳寺行在所は、玉座の間の付書院に天袋と違棚を配した奇抜な座敷飾をもつとされ、本来は床脇に置く天袋を付書院と組み合わせた点が特色になっている。新潟県上越市の怡顔亭は、戸野目の地主が建てた客殿で、南東の座敷の床脇に組子の窓や櫛形の天袋を設ける繊細な意匠とされる。

現地では、床の間の脇を見上げて、天井際に小さな戸棚があるかを確かめる。戸の張り物や引手、形の工夫も意匠を読む手がかりになる。

参考文献

真宗大谷派姫路船場別院本徳寺行在所|文化遺産オンライン
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/379977
怡顔亭|文化遺産オンライン
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/594276

最終更新: 2026.09.27