突き上げ屋根とは

突き上げ屋根は、屋根の一部を持ち上げて、その下に周囲より高い空間をつくった屋根である。「突上げ屋根」とも書く。屋根面の一部を切り上げて壁を立て、そこに窓を設けて、上階や屋根裏に光と風を取り入れる。

養蚕を行った民家では、蚕を飼う上階の換気と採光のために、屋根の中ほどを突き上げた例が多い。屋根の棟の上に小さな屋根をもう一段載せる越屋根も換気のための形式で、両者を重ねて多層の外観となる民家もある。近代の建物では、角地に面した屋根の一部を突き上げて塔屋風に見せるなど、意匠として用いる例もある。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では、屋根の形式として書かれる。山梨県甲州市の土屋家住宅主屋は、塩山から秩父へ抜ける街道筋の民家で、養蚕のため、二階の屋根の上に突き上げ屋根の三階部分と、越屋根の四階部分を重ねる外観が特徴とされる。埼玉県川越市のカワモク本部事務所棟(旧六軒町郵便局)は、軒を突き上げて塔屋風に見せる屋根など、角地を強調した独特の意匠をもつ。

現地では、屋根の一部が周囲より高く持ち上がり、その側面に窓が並んでいるかを見る。さらにその上に小さな屋根が載っていれば越屋根との組み合わせである。

参考文献

土屋家住宅主屋|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011497
カワモク本部事務所棟(旧六軒町郵便局)|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00000386

最終更新: 2026.09.27