脇障子とは

脇障子は、神社の本殿などで、建物の側面に回した縁の後端に立てる板張りの仕切りである。縁はふつう正面と両側面の三方に回し、背面には回さない。脇障子は、その側面の縁の行き止まりに立って、縁をそこで区切る。

名前に「障子」とあるが、紙を張った現在の障子戸ではなく、板を張った衝立状のものである。古くは仕切りの建具を広く障子と呼んだことによる名である。脇障子の板面には、彫刻や彩色を施して装飾とすることが多く、近世の華やかな社殿では見どころの一つになっている。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では「三方に縁を廻らし、脇障子を建てる」のように、縁と組み合わせて書かれる。京都市伏見区の乃木神社本殿は、桁行三間、梁間三間の入母屋造妻入銅板葺で一間向拝付きとし、三方に縁を廻らして脇障子を建て、向拝の中備は蟇股の上に二つの斗を配す。福岡県宇美町の宇美八幡宮本殿は、入母屋造檜皮葺で一間向拝を付し、周囲に刎高欄付の縁を廻らして脇障子を建てる、華麗な大規模社殿と解説される。

現地では、本殿の側面の縁を奥へたどり、縁の終わりに板の仕切りが立っているかを見る。仕切りの面に彫刻があれば、その題材も社殿の意匠を読む手がかりになる。

参考文献

乃木神社本殿|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00015318
宇美八幡宮本殿(福岡県宇美町の文化財一覧)|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/region/40/40341

最終更新: 2026.09.27