今井酒造店釜場及び瓶詰場とは

今井酒造店釜場及び瓶詰場は、群馬県太田市鳥山中町の今井酒造店にある明治41年(1908年)建築の木造2階建の作業棟で、平成28年(2016年)8月1日に国の登録有形文化財となった。読みは「いまいしゅぞうてんかまばおよびびんづめば」。

位置は本蔵の東隣で、本蔵に接して建つ。建築面積は155平方メートル、太田市の数字では建坪およそ47坪。酒造りでまず行う洗米と蒸米、そして最後の瓶詰めが、この一棟で行われた。

工程の入口と出口を担った建物

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説文は、今井酒造店釜場及び瓶詰場が酒造工程の最初と最終段階を受け持ったこと、内部に釜場があること、2階が蔵人の休憩などに使われたことを挙げ、意匠にも工夫を凝らした建物としている。

釜場は、大きな釜で湯を沸かし、その蒸気で米を蒸す場所である。ここで蒸し上がった米は隣の本蔵と新蔵へ運ばれ、麹づくりや酒母、醪(もろみ)の仕込みに回った。数か月後、搾って貯えた酒は再びこの建物に戻り、瓶に詰められて出ていく。1つの屋根の下で、酒造りの始まりと終わりが向かい合っていたことになる。

釜の火は、建物の南に立つ煙突と地下の煙道でつながっていた。釜場と煙突は、別々に登録されていても、1組の設備として働いていた。

見どころ

屋根は切妻造で、妻面に深い庇を差し出している。妻側に目をやると、壁の上部に梁の組み方をそのまま見せる構成になっており、文化庁の解説文はこれを意匠を凝らした点として取り上げる。作業のための建物でありながら、構造材を化粧として見せる手間をかけている。

内部では、東南の角と小屋裏を区切って2階がつくられ、蔵人の休憩の場に充てられた。太田市は、この建物が職人の休憩と生活の場を兼ねていたと説明している。仕込みの季節に住み込んだ蔵人は、釜場と同じ屋根の下で寝起きしていたことになる。

見学方法

今井酒造店釜場及び瓶詰場の内部は公開されていない。今井酒造店は蔵見学を受け付けておらず、釜場の設備や2階の休憩場所を見る機会は案内されていない(2026年9月25日確認)。

外観の手がかりになるのは、南に立つ煙突である。煙突の北側にある2階建が、この建物にあたる。蔵元の公式サイトには、釜場及び瓶詰場の外観写真が掲載されている。

Q&A

Q今井酒造店釜場及び瓶詰場では何をしていましたか。
A酒造りの最初の作業である洗米と蒸米、最後の工程である瓶詰めを行っていました。2階は蔵人の休憩などに使われました。
Q今井酒造店釜場及び瓶詰場はいつ建てられましたか。
A明治41年(1908年)です。木造2階建、瓦葺で、建築面積は155平方メートルです。
Q今井酒造店釜場及び瓶詰場と煙突はどうつながっていますか。
A釜場の火の煙は地下の煙道を通って、建物の南に立つ煙突から排出されていました。
Q今井酒造店釜場及び瓶詰場の中は見学できますか。
A内部は公開されておらず、今井酒造店は蔵見学も受け付けていません。
Q今井酒造店釜場及び瓶詰場はいつ登録有形文化財になりましたか。
A平成28年(2016年)8月1日で、登録番号は10-0334です。

基本データ

名称今井酒造店釜場及び瓶詰場(いまいしゅぞうてんかまばおよびびんづめば)
所在地群馬県太田市鳥山中町746-2
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号10-0334
指定年平成28年(2016年)8月1日登録
員数1棟
寸法木造2階建、瓦葺、建築面積155平方メートル
所有者記載なし(文化庁データベースに所有者名の掲載がない)
公開状況内部非公開(蔵見学なし)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁) 今井酒造店釜場及び瓶詰場
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011065
太田市 今井酒造店 店舗兼主屋・本蔵・新蔵・釜場及び瓶詰め場・文庫蔵・煙突
https://www.city.ota.gunma.jp/page/4165.html
株式会社今井酒造店 公式サイト(かぜくら)
https://www.kaze-kura.com/

最終更新日: 2026.09.24