旧福井家住宅とは

旧福井家住宅は、広島県尾道市東土堂町にある大正元年(1912年)から昭和3年(1928年)にかけて建てられた住宅で、主屋・茶室・蔵の3棟が平成16年(2004年)11月8日に国の登録有形文化財(建造物)となった(文化庁)。3棟とも「造形の規範となっているもの」として登録されている。

屋敷は尾道水道に臨む斜面に南面して建つ(文化庁)。主屋は檜を中心に楓や鉄刀木などの銘木を多用した上質なつくりで、瀟洒な数寄屋風の意匠にまとめられ、茶室と蔵も主屋と一連の丁寧なつくりになっている。

3棟の構成

主屋は、大正元年(1912年)に建てられた寄棟造の東棟と、昭和2年(1927年)に増築された入母屋造の西棟からなり、ほぼ中央の玄関を挟んで連続する(文化庁)。

西棟の北西部には昭和3年(1928年)の茶室が連結し、四畳半の茶室に廊下を挟んで控えの間が付く。西棟の北側には大正元年(1912年)頃の土蔵造2階建の蔵が建ち、蔵前が主屋に続いている(文化庁)。3棟は主屋を中心に一続きの屋敷を形づくっている。各棟の構造は、それぞれのページで扱っている。

文学記念室としての歩み

旧福井家住宅は、尾道市の文学記念室として使われた(日本建築学会中国支部研究報告集の論文)。同論文によれば、平成11年(1999年)に志賀直哉旧居、中村憲吉旧居、尾道市文学公園とともに4施設からなる「おのみち文学の館」の一つとなり、再整備に伴って林芙美子ゆかりの資料などがここへ移された。

文学記念室は来訪者の減少により、志賀直哉旧居とともに令和2年(2020年)3月末で閉館した(同論文)。尾道市の文学施設の案内(2023年5月更新)には、文学公園と中村憲吉旧居の公開情報だけが載っている。

見学について

文学記念室の閉館後、旧福井家住宅の公開を再開したという公的な案内は確認できなかった。

文化庁の記録上の所在地は尾道市東土堂町163-1ほかで、文学記念室だった当時の住所表示は東土堂町13-28である(ひろしま国際センターの施設案内、2015年)。同じ案内では、JR山陽本線の尾道駅から徒歩15分とされていた。

参考文献

旧福井家住宅主屋(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004411
旧福井家住宅茶室(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004412
旧福井家住宅蔵(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004413
島川大冴・谷川大輔「尾道・志賀直哉旧居の現状の実測調査と歴史に関する文献調査による保存・活用に関する研究」(日本建築学会中国支部研究報告集 第48巻)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijchugoku/48/0/48_845/_pdf/-char/ja
尾道文学公園(文学公園・中村憲吉旧居)(尾道市)
https://www.city.onomichi.hiroshima.jp/soshiki/7/32941.html
おのみち文学の館(ひろしま国際センター 施設案内)
https://hiroshima-ic.or.jp/wp-content/uploads/2015/09/yutai471.pdf

最終更新日: 2026.10.20

基本情報

名称旧福井家住宅
所在地広島県尾道市東土堂町163-1他
指定登録有形文化財 3件
座標34.40944, 133.19929