久山田貯水池堰堤とは:尾道市の水道の始まりを支えた堰堤

久山田貯水池堰堤(ひさやまだちょすいちえんてい)は、広島県尾道市久山田町にある大正14年(1925年)完成の石張コンクリート造の堰堤で、平成16年(2004年)11月8日に登録有形文化財に登録された。

文化庁の解説によると、市の南西部を流れる門田川に建設された、尾道市の創設時の水道施設である。堤長75メートル、堤高22メートルで、副堰堤が付く。所有者は尾道市。

尾道市によると、大正14年(1925年)に久山田貯水池を水源として長江浄水場から給水が始まり、令和7年(2025年)に尾道市の水道は創設100周年を迎えた。

久山田貯水池堰堤と尾道の水道

尾道市によると、市内には大きな河川がなく、市街地の大部分は埋立地で地下水に塩分が多く、水道ができるまでは飲み水にも事欠いていた。街には水売りの商人が行き来していたと伝えられる。

厳しい財政事情の中、尾道出身で貴族院議員も務めた山口玄洞から、創設費用の4分の3にのぼる寄付の申し出があり、水道の建設が一気に進んだ。大正11年(1922年)3月に認可を受け、翌年1月に着工し、大正14年(1925年)4月に給水を始めた。

尾道市は、一個人の寄付を元手に誕生した水道は他に例を見ないとしている。久山田貯水池堰堤は、その水道の水源を支える施設として築かれた。

久山田貯水池堰堤の見どころ:重力式とアーチ式を合わせた堤体

文化庁によると、堤体の中央に越流部を設け、右岸寄りには半円状の取水塔を張り出している。

平面の形は副堰堤と中心を同じくする円弧で、重力式とアーチ式を組み合わせた構造形式が特徴である。重力式の堰堤に上流へ弧を描く平面を与えることで、水圧を受け止める工夫がなされている。

湖面側から見ると、弧を描く堤体と、そこから半円状に突き出した取水塔の組み合わせがよく分かる。

久山田貯水池堰堤の見学方法

久山田貯水池堰堤は現役の水道施設である。堰堤や取水塔など施設内への立ち入りは制限されている場合があるため、外から眺める形で見学したい。

問い合わせは尾道市上下水道局へ。

Q&A

Q久山田貯水池堰堤はいつ造られたのですか?
A大正14年(1925年)に完成しました。同年4月に尾道市の水道の給水が始まりました。
Q久山田貯水池堰堤の読み方は?
A「ひさやまだちょすいちえんてい」と読みます。
Q久山田貯水池堰堤の大きさは?
A堤長75メートル、堤高22メートルで、副堰堤が付きます。
Q久山田貯水池堰堤の構造の特徴は?
A副堰堤と同じ中心をもつ円弧状の平面で、重力式とアーチ式を組み合わせています。
Q尾道の水道の建設を支えたのは誰ですか?
A尾道市によると、貴族院議員も務めた山口玄洞が創設費用の4分の3にのぼる寄付をしました。

基本情報

名称久山田貯水池堰堤(ひさやまだちょすいちえんてい)
所在地広島県尾道市久山田町
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成16年(2004年)11月8日登録
員数1基
寸法コンクリート造堰堤、堤長75メートル、堤高22メートル、副堰堤付
所有者尾道市
公開状況現役の水道施設。外観を見学

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「久山田貯水池堰堤」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004407
文化遺産オンライン「久山田貯水池堰堤」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/117487
尾道市「尾道市水道創設100周年」
https://water-onomichi-anniv100th.jp/

最終更新日: 2026.09.28