旧藤村家住宅(田村家住宅)裏門とは

旧藤村家住宅(田村家住宅)裏門は、石川県野々市市本町2丁目の屋敷の北側の通りに面して建つ昭和12年(1937年)の木造の門で、令和3年(2021年)に国の登録有形文化財に登録された。

形式は棟門で、屋根は照り起りのある切妻造の銅板葺、間口は2.0メートル。所在地は本町2丁目140番1で、主屋などの133番とは地番が分かれている。

この年、田村家は敷地の奥に主屋を新築しており、裏門とその東西に続く板塀も同じ昭和12年につくられた。旧北国街道に面した明治の表門に対し、北側の通りに向けて昭和の門を構えたことになる。

登録の理由と価値

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。文化庁は、旧藤村家住宅(田村家住宅)裏門が敷地北辺の景観を形成していると説明している。

表門と見比べると、同じ棟門でも時代の違いがよくわかる。表門が瓦葺で冠木に梁を架ける簡素なつくりなのに対し、裏門は銅板葺の屋根に起りをつけ、格子欄間や金物で細部を整えている。昭和初期の住宅の洗練が、門という小さな建物にも及んでいる。

見どころ

まず屋根の線を見たい。起りは屋根面を上へ緩やかにふくらませる形で、反りとは逆向きの曲線になる。薄い銅板葺と組み合わさることで、屋根全体が柔らかく軽い印象になる。

架構は、角柱の本柱に楣(まぐさ)を架け、その上に女梁と男梁を渡して軒桁を受ける。控えには木の控柱ではなく鉄棒を用いている。扉は板戸の両開きで、内法貫の上には格子欄間をはめる。

近づいて見ると、垂木と梁の木口に金物が打たれている。雨にさらされる木口を守る実用の工夫だが、並んだ金物が軒先の表情にもなっている。東西に続く板塀の格子と銅板葺の笠木は、この裏門と意匠をそろえてつくられた。

見学方法

旧藤村家住宅(田村家住宅)裏門は北側の通りに面しており、外観は公道から見学できる。門の内側は個人の住宅の敷地で、立ち入りはできない。

旧北国街道側の表門・土塀・前の蔵を見たあと、北側の通りへ回ると裏門と板塀が現れる。起りのある屋根は少し離れて正面から、垂木の木口の金物は門の近くから見上げるとわかりやすい。屋敷への行き方は旧藤村家住宅(田村家住宅)のページにまとめてある。

Q&A

Q旧藤村家住宅(田村家住宅)裏門はいつつくられましたか?
A昭和12年(1937年)です。同じ年に主屋と板塀もつくられました。令和3年(2021年)に登録有形文化財となっています。
Q旧藤村家住宅(田村家住宅)裏門と表門はどう違いますか?
Aどちらも棟門ですが、表門は明治前期の瓦葺、裏門は昭和12年の銅板葺で、起りのある屋根、格子欄間、垂木と梁の木口の金物など細部の意匠が加わっています。
Q旧藤村家住宅(田村家住宅)裏門はどこから見られますか?
A屋敷の北側の通りに面しており、外観は公道から見学できます。門の内側は個人の住宅です。
Q旧藤村家住宅(田村家住宅)裏門はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A登録基準のうち「国土の歴史的景観に寄与しているもの」にあたるとして、令和3年(2021年)に屋敷の8件がそろって登録されました。
Q旧藤村家住宅(田村家住宅)裏門は写真を撮ってもよいですか?
A撮影の可否について公式の案内は見当たりません。個人の住宅なので、道路から外観を撮る程度にとどめ、住人や生活の様子が写り込まないよう配慮してください。

基本情報

名称旧藤村家住宅(田村家住宅)裏門
所在地石川県野々市市本町2丁目140-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和3年(2021年)2月26日登録
員数1棟
寸法木造、銅板葺、間口2.0メートル
所有者個人
公開状況非公開(外観は道路から見学可)

参考文献

国指定文化財等データベース:旧藤村家住宅(田村家住宅)裏門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013713
野々市市:国指定文化財(国登録有形文化財 旧藤村家住宅(田村家住宅))
https://www.city.nonoichi.lg.jp/soshiki/37/925.html
野々市市:旧藤村家住宅(田村家住宅)の登録有形文化財の登録について(報道発表資料PDF)
https://www.city.nonoichi.lg.jp/uploaded/attachment/21766.pdf

最終更新日: 2026.09.24