旧丹後家住宅土蔵とは

旧丹後家住宅土蔵は、石川県鹿島郡中能登町能登部上にある昭和前期(1926〜1945年)の土蔵で、平成29年(2017年)10月27日に国の登録有形文化財に登録された。土蔵造2階建、瓦葺で、建築面積は71平方メートル。登録番号は17-278である。

建つのは屋敷地の南端の角で、主屋よりさらに奥、通りからもっとも離れた位置にあたる。見た目は1棟だが、中身は2棟の蔵で、それを一つの覆屋がまとめて包んでいる。

登録の理由:2棟を一つにまとめた外観

旧丹後家住宅土蔵の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。中能登町の紹介は、2棟の蔵に大屋根を架けた構成と、窓まわりの意匠を挙げてこの土蔵の特徴としている。

文化庁の解説がとくに評価するのは窓枠である。笠木のように上端を水平に通した簡潔な枠が、白い壁面の上で全体の輪郭を引き締めているという。飾りを重ねるのではなく、線の少なさで形を整えた土蔵である。

見どころ:面と高さで変わる壁の仕上げ

旧丹後家住宅土蔵は、柱を壁のなかに塗り込める大壁造で、屋根は壁体から浮かせて載せる置屋根とし、瓦を葺いている。

外壁に目を移すと、仕上げが一様でないことに気づく。壁の上部は白いモルタル仕上げ。その下の腰の部分は、東面だけを下見板張とし、ほかの面は人造石で仕上げている。同じ建物のなかで、面と高さによって3種類の仕上げが使い分けられていることになる。

北側には庇を付ける。土蔵の出入りや荷の上げ下ろしに雨がかからないよう設けたものと考えられるが、用途を示す資料は見当たらなかった。

白く仕上げた上部の壁も、腰を覆う人造石も、昭和前期という建設時期を感じさせる材料である。旧丹後家住宅土蔵は、置屋根をもつ伝統的な土蔵の形を守りつつ、壁の表面にはモルタルや人造石を用いている。

見学方法

旧丹後家住宅土蔵は敷地の奥にあり、通りからどの程度見えるかは確認できなかった。東面の板張りの腰とほかの面の人造石の違いは、建物の角に立つと両面を一度に比べられる。

内部の公開について、中能登町の案内に記載はない。屋敷全体は町が予約制で貸し出す施設だが、2024年7月の時点で能登半島地震の影響により利用が当面中止されている。

Q&A

Q旧丹後家住宅土蔵はどんな建物ですか?
A2棟の蔵を一つの覆屋に収めた土蔵造2階建、瓦葺の土蔵で、建築面積は71平方メートルです。大壁造で、屋根は置屋根としています。
Q旧丹後家住宅土蔵はどこに建っていますか?
A旧丹後家住宅の敷地の南端の角に建っています。主屋よりさらに奥にあり、通りからもっとも離れた位置です。
Q旧丹後家住宅土蔵の外壁はどう仕上げられていますか?
A上部を白いモルタルで仕上げ、腰の部分は東面だけを下見板張、ほかの面を人造石としています。北側には庇が付きます。
Q旧丹後家住宅土蔵が登録有形文化財になった理由は何ですか?
A2棟に大屋根を架けた構成と、笠木状の簡潔な窓枠が全体をまとめている外観が評価されました。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」です。
Q旧丹後家住宅土蔵はいつのもので、いつ登録されましたか?
A文化庁のデータベースでは昭和前期(1926〜1945年)のもので、平成29年(2017年)10月27日に国の登録有形文化財に登録されました。登録番号は17-278です。

基本情報

名称旧丹後家住宅土蔵
所在地石川県鹿島郡中能登町能登部上へ12-1他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成29年(2017年)10月27日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積71平方メートル
所有者中能登町
公開状況屋敷は予約制の貸施設(能登半島地震の影響で当面利用中止、2024年の町の告知による)。土蔵内部の公開は記載なし

参考文献

旧丹後家住宅土蔵(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011944
旧丹後家住宅土蔵(文化遺産オンライン)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/438660
文化財の紹介(国登録)(中能登町)
https://www.town.nakanoto.ishikawa.jp/childcare_education_culturalproperty/6/1/4974.html

最終更新日: 2026.09.29