大久保利通関係資料とは:大久保家に伝わった日記・書状・遺品
大久保利通関係資料は、鹿児島県鹿児島市城山町の鹿児島県歴史・美術センター黎明館が保管する、江戸時代から明治時代にかけての大久保利通の日記・書状・文書・遺品など1650点の資料群で、平成16年(2004年)に国の重要文化財に指定された。
所有者は鹿児島県である。文化庁の解説によると、資料は利通が書き残した日記や文書、使った遺品、利通に宛てられた書状など大久保家に伝来したものに、明治11年(1878年)の利通の死後に大久保家が精力的に集めた資料が加わっている。同じ内容の資料は国立歴史民俗博物館にも保管されており、大久保家から移された事情で二か所に分かれている。
明治22年(1889年)、東京・芝二本榎にあった大久保邸が火災に遭い、少なくない遺品が焼けたと考えられている。現存する資料は運び出されて難を逃れたもので、書状の一部に残る焼け跡がその経緯を伝えている。
指定の理由:大久保利通の全体像を伝える一次資料
鹿児島県所有分の中心は書状で、巻子に表装されたものと未表装のものを合わせて1595点を数える。そのなかには、大久保利通が出した書状として最も時期の早い、嘉永6年(1853年)6月4日付で妹婿の石原近昌に金の借用を申し入れたものが含まれる。明治5年(1872年)7月19日付でロンドンから西郷隆盛に宛て、ビクトリア女王に会えないことやビスマルクの評判を伝えた書状もある。
文書・記録類には、明治9年(1876年)12月に新政府の樹立から10年を迎えて財政再建のための行政改革を行うとした大綱や、台湾出兵の事後処理として北京で清国に申し入れた談判の案文などがある。
大久保家は早くから資料の学術的価値を認め、日記や書状を刊行して学界に提供してきた。文化庁は、黎明館と国立歴史民俗博物館の資料をあわせて大久保利通の全貌を語るものとして貴重だと評価している。
見どころ:書状と身の回りの品
書状は、大久保利通の筆跡を通して幕末から明治初年の動きを追える資料である。若い時期の借金の申し入れから、ロンドンからの便りまで、同じ人物の立場の変化が読み取れる。
書跡や遺品の数は多くないが、大久保の書幅のほか、碁石、碁盤、櫛、石鹸入れ、歯ブラシなどの日用品がある。政治家としての文書と並べて見ると、人物像に身近な手触りが加わる。
大久保利通関係資料の見学方法
大久保利通関係資料を保管する黎明館の開館時間は午前9時から午後6時まで(入館は午後5時30分まで)。休館日は月曜日(祝日の場合は翌平日)、毎月25日(土・日曜日・祝日の場合は開館)、12月31日から1月2日。常設展示の入館料は一般430円、高校生・大学生270円、小学生・中学生160円である。
歴史資料は保存のため展示を入れ替えるので、特定の資料が常に展示されているとは限らない。見たい資料がある場合は黎明館(099-222-5100)に確認してほしい。なお黎明館は、令和8年(2026年)12月1日から令和9年(2027年)4月25日まで、照明工事のため常設展示室2階を休止すると案内している。
交通は、JR鹿児島駅から徒歩15分、市電・バスの「市役所前」または「水族館口」から徒歩7分。敷地内に無料駐車場がある。
Q&A
- 大久保利通関係資料とは何ですか?
- 大久保利通の日記・書状・文書・遺品など1650点からなる資料群で、鹿児島県が所有し黎明館が保管しています。平成16年(2004年)に国の重要文化財に指定されました。
- 大久保利通関係資料にはどのような書状がありますか?
- 大久保が出した最も早い時期の嘉永6年(1853年)の書状や、明治5年(1872年)にロンドンから西郷隆盛に宛てた書状などがあります。
- 大久保利通関係資料はどこで見られますか?
- 鹿児島市城山町の鹿児島県歴史・美術センター黎明館です。展示は入れ替えがあるため、見たい資料がある場合は事前に黎明館に確認してください。
- 黎明館の開館時間と入館料は?
- 午前9時から午後6時まで(入館は午後5時30分まで)で、月曜日などが休館です。常設展示の入館料は一般430円です。
- 大久保利通関係資料はなぜ二か所に分かれているのですか?
- 大久保家からの移管の事情によるもので、同じ内容の資料が黎明館と国立歴史民俗博物館に分かれて保管されています。
基本情報
| 名称 | 大久保利通関係資料(おおくぼとしみちかんけいしりょう) |
|---|---|
| 所在地 | 鹿児島県鹿児島市城山町7-2(鹿児島県歴史・美術センター黎明館) |
| 指定区分 | 重要文化財(歴史資料) |
| 指定年 | 平成16年(2004年)6月8日指定 |
| 員数 | 1650点 |
| 寸法 | 書状1595点ほか(寸法の記載なし) |
| 所有者 | 鹿児島県 |
| 公開状況 | 黎明館で保管。展示は入れ替えあり、午前9時から午後6時、有料 |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「大久保利通関係資料」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/00010650
- 文化遺産オンライン「大久保利通関係資料」
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/207590
- 鹿児島県歴史・美術センター黎明館「開館時間・休館日・入館料」
- https://www.pref.kagoshima.jp/ab23/reimeikan/annnai/kaikanjikan/riyouannai.html
- 鹿児島県歴史・美術センター黎明館「交通アクセス・駐車場」
- https://www.pref.kagoshima.jp/ab23/reimeikan/annnai/parking_lot/akusesu~tyuusyajyou.html
- 鹿児島県歴史・美術センター黎明館「常設展示室2階の利用休止について」
- https://www.pref.kagoshima.jp/reimeikan/2ftemporarysuspension.html
最終更新日: 2026.09.27