1棟の主屋 ― 2019年に登録有形文化財

原家住宅主屋は、神奈川県平塚市土屋字秦ノ前2842にある建造物で、2019年(平成31年)3月29日に登録有形文化財(建造物)となった。指定された文化財ではなく、登録された文化財である。

員数は1棟である。ふりがなの欄は、はらけじゅうたくしゅおくである。所有は原ビルディング株式会社である。

構造は木造平屋建、金属板葺、建築面積251平方メートルとされる。年代の欄は明治、西暦は1883年から1897年である。

分類が江戸、年代の欄が明治である

二つの時代表示が、一致していない。

分類の欄は住居建築の江戸とされる。一方、年代の欄は明治、1883年から1897年である。

江戸は1868年までであり、1883年はすでに明治にあたる。二つの表示は重ならない。

同じ敷地の茶室も分類が江戸で年代の欄が明治、土蔵は分類が大正で年代の欄が明治である。旧長屋門は分類が昭和以降で年代の欄が江戸となる。

旧長屋門は寺院から移築したものとされるため、移された時期と建てられた時期が別にあると読める。

本件についてはその説明がない。記録をそのまま読むと、分類と年代が食い違ったままになる。

年が15年の幅で示される

いつ建てられたかが、範囲でしか分かっていない。

年代の欄は1883年から1897年である。15年の幅がある。

同じ敷地の茶室と土蔵も、同じ1883年から1897年とされる。三棟が同じ範囲に置かれている。

旧高橋家住宅主屋は1751年から1829年の78年幅で、解説文に江戸中期の創建と伝えられるとあった。萬福寺本堂は1830年から1867年の37年幅である。

本件は15年と、それらより狭い。ただし根拠は示されない。

三棟が同じ範囲であることから、まとめて建てられたか、まとめて推定されたかのいずれかと読める。

広間の前に下屋を出して、式台とする

玄関の作りが、部屋の前に張り出す形になっている。

文化庁は、東に土間、西に広間を取り、奧に前後各2室を配する、と記す。

続けて、広間前面に下屋を出して式台とし、前列上手を座敷とする、とある。

下屋は母屋から差し掛ける低い屋根、式台は玄関の上がり口に設ける板敷をいう。広間の前に屋根を出し、その下が式台になる。

重田家住宅主屋では、正面ほぼ中央の式台玄関が当家の格式を示すとされた。あちらは式台そのものが評価の理由である。

本件は下屋を出して式台とする、と作り方が述べられる。文化庁は結びで、県中部の伝統的な民家形式を踏襲した近代の和風住宅、とする。

見学

所在は神奈川県平塚市土屋字秦ノ前2842で、所有は原ビルディング株式会社である。

文化庁は、市北西部の丘陵地にある農家で、主屋は敷地中央に南面して建つ、と記す。

建築面積251平方メートルで、同じ敷地の4棟のなかで最も大きい。旧長屋門は107平方メートル、土蔵は46平方メートル、茶室は25平方メートルである。

構造は入母屋造鉄板葺の平屋建である。同じ敷地では茶室が茅葺、土蔵が鋼板葺、旧長屋門が銅板葺で、屋根の材が棟ごとに分かれる。

会社が所有する建物であり、公開の有無や条件は所有者の定めによる。訪問前に確認したい。

Q&A

Q原家住宅主屋はいつ登録されましたか。
A2019年(平成31年)3月29日に登録有形文化財(建造物)となりました。指定ではなく登録で、員数は1棟です。
Qいつ建てられたのですか。
A年代の欄は1883年から1897年で、15年の幅があります。ただし分類の欄は江戸とされており、二つの表示が一致しません。
Qどのような間取りですか。
A文化庁は「東に土間、西に広間を取り、奧に前後各2室を配する」と記します。広間の前面には下屋を出して式台としています。
Q何が評価されているのですか。
A文化庁は「県中部の伝統的な民家形式を踏襲した近代の和風住宅」と結びます。地域の民家の形を受け継いだ点になります。
Qどのくらいの大きさですか。
A建築面積251平方メートルで、同じ敷地の4棟のなかで最も大きくなります。旧長屋門は107平方メートル、土蔵は46平方メートルです。

基本情報

名称原家住宅主屋(はらけじゅうたくしゅおく)/全国の同名物件とは別
所在地神奈川県平塚市土屋字秦ノ前2842
指定区分登録有形文化財(建造物・住居建築)/指定ではなく登録/同じ敷地の4棟が同じ日に登録
指定年2019年(平成31年)3月29日 登録
員数1棟
寸法木造平屋建、金属板葺、建築面積251平方メートル。入母屋造鉄板葺の平屋建で、東に土間、西に広間を取り、奧に前後各2室を配する。広間前面に下屋を出して式台とし、前列上手を座敷とする。年代の欄は明治、西暦は1883年から1897年。分類の欄は江戸とされ、年代の欄と一致しない
所有者原ビルディング株式会社
公開状況会社が所有する建物で、公開の有無や条件は所有者の定めによる

参考文献

文化遺産オンライン 原家住宅主屋(神奈川県平塚市)
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/451360
文化遺産オンライン 原家住宅旧長屋門
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/446543
文化遺産オンライン 原家住宅茶室
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/403901
文化庁 国指定文化財等データベース
https://kunishitei.bunka.go.jp/

最終更新日: 2026.09.16