対をなす祭器庫

西祭器庫は東祭器庫の西側に並ぶ、祭器を納める庫である。昭和15年(1940年)の造営で、東祭器庫に倣って造られたため、両者はほぼ同じ規模・形式・意匠をもつ。

土蔵造の二階建で、小屋はトラスを組む。軒部は漆喰で塗り上げ、腰部には海鼠壁風の目地を切る。海鼠壁は、盛り上がった目地の形がなまこに似ることからその名がある。これらの細部が、対の建物にありながら固有の表情を与えている。

対でありながら異なる細部

東祭器庫に倣ったとはいえ、西祭器庫は外壁腰部などの細部が異なり、単なる複製ではない。漆喰の軒と海鼠壁風の腰は、近くで見ると西の庫を東の庫から分ける。

平成14年(2002年)9月3日、国の登録有形文化財に登録された。社殿の中心を囲んだ昭和15年の造営で加えられた庫のひとつである。祭器を納める庫は注目されにくいが、その堅牢で防火的な構造は、神宮の祭具を守るうえで欠かせなかった。

見どころ

壁の腰部を見たい。漆喰に盛り上げて切った海鼠壁風の目地は、西祭器庫を東の対から分かつ最も明瞭な印である。漆喰で塗り上げた軒は、建物全体に滑らかで密閉された面を与える。

実用の庫ゆえ公開はされず、儀式殿を支える実用建物の列の一部として外から読み取るのがよい。白い漆喰は、近くの丹塗の木部に静かな対照をなす。

よくある質問

Q祭器庫とは何ですか。
A神事に用いる祭器を納める庫です。西祭器庫はそうした祭具を神宮のために収めていました。
Q東祭器庫とどう違うのですか。
A東祭器庫に倣って造られましたが、腰部の海鼠壁風の目地など外壁の細部が異なります。
Qどのような構造の建物ですか。
A土蔵造の二階建で、トラス小屋と漆喰の軒をもち、耐久性と防火に配慮した造りです。
Q内部に入れますか。
A入れません。実用の庫のため非公開で、境内から外観をご覧いただけます。

基本情報

名称平安神宮西祭器庫(へいあんじんぐうにしさいきこ)
所在地京都府京都市左京区岡崎西天王町97
指定区分登録有形文化財(建造物)
登録年月日平成14年(2002年)8月21日/告示 同年9月3日
登録番号26-0128
員数1棟
構造土蔵造2階建、瓦葺、建築面積145㎡
年代昭和15年(1940年)
所有者宗教法人平安神宮
公開状況実用の庫のため非公開。境内から外観の見学可

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002938
平安神宮 社殿・境内案内(公式)
https://www.heianjingu.or.jp/map/guide/
平安神宮 公式サイト
https://www.heianjingu.or.jp/

最終更新日: 2026.07.02