角屋とは:島原に残る揚屋建築の唯一の遺構

角屋(すみや)は、京都府京都市下京区西新屋敷揚屋町の島原にある揚屋の建物で、主屋が昭和27年(1952年)3月29日に重要文化財に指定され、大正期の離れの松の間が平成24年(2012年)に登録有形文化財に登録された。

文化庁の記録では、所有者は公益財団法人角屋保存会である。

角屋保存会によると、島原の開設当初から建物と家督を維持し続け、江戸時代の饗宴・もてなしの文化の場である揚屋建築の唯一の遺構として重要文化財に指定された。

揚屋とは

角屋保存会によると、揚屋とは、江戸時代の書物で客を「饗すを業とする也」と定義されたもので、現在の料理屋・料亭にあたると考えられる。饗宴のための施設であることから、大座敷に面した広庭に必ず茶席を配し、庫裏と同じ規模の台所を備えることを重要な特徴とする。

文化庁によると、角屋は島原の代表的な揚屋で、主屋のほか曲木亭、茶室、待合、土蔵3棟もあわせて指定されている。庭もよく保存されていて、往時の景観をとどめている。

主屋と松の間

文化庁の記録では、主屋は江戸時代後期の建物で、1階に網代之間や台所などを備える。

松の間は、主屋の西面の北寄りに建つ大正期の木造平屋建ての離れで、入母屋造、桟瓦葺とし、鉄板葺の庇を巡らせる。東の主屋側から10畳の口の間、12畳と8畳の次の間を経て、23畳の大広間が雁行して連なり、南側に濡縁が付く。文化庁は、内法の高さが大きい近代趣味の書院建築としている。

角屋保存会によると、所蔵する美術品では、昭和58年(1983年)に蕪村筆「紅白梅図屏風」が重要文化財に指定されている。

角屋の見学方法

角屋保存会によると、平成10年度(1998年度)から「角屋もてなしの文化美術館」として、建物と所蔵美術品を公開している。公開は期間を限って行われ、現在の公開期間は9月18日から12月13日までの金曜日から日曜日と祝日で、開館時間は午前10時から午後3時30分(受付終了)である。

入場料は、1階と展示室が一般1,000円、中高生800円、小学生500円である。2階座敷の特別公開は予約制で、1階の入場料に加えて一般1,000円、中高生700円が必要となる。文化財保護のため、1階・2階とも定時の案内制で、ガイドが案内する。2階座敷の見学と写真撮影はできない場合があるため、角屋保存会の案内で確かめたい。

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「角屋」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/1827
文化庁 国指定文化財等データベース「角屋松の間」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009333
公益財団法人角屋保存会「角屋もてなしの文化美術館」
https://sumiyaho.sakura.ne.jp/

最終更新日: 2026.09.29

基本情報

名称角屋
所在地京都府京都市下京区西新屋敷揚屋町32番地
所有者公益財団法人角屋保存会
指定重要文化財 1件・登録有形文化財 1件
座標34.99237, 135.74315