桟瓦葺とは

桟瓦葺は、断面が波形をした桟瓦を並べて葺く屋根である。半円形の丸瓦と平らな平瓦を交互に組み合わせる本瓦葺に対し、一種類の瓦で同じ働きをまかなう。

瓦の枚数と総重量が減るため、下地や軸組の負担が軽くなる。近世以降の町家や土蔵造の蔵、社寺の付属建築に広く使われ、国指定文化財等データベースの建造物記録でも頻繁に現れる葺材である。

記録では屋根の形に続けて葺材を書く。愛知県の小栗家住宅には「木造、建築面積46.00㎡、切妻造、桟瓦葺」と記された建物がある。屋根の形が切妻造、葺材が桟瓦という読み方になる。

一棟のなかで葺材が分かれることもある。和歌山県の角長(加納家住宅)には「土蔵造、桁行11.8m、梁間5.1m、一部二階建、切妻造、本瓦葺一部桟瓦葺」と記録された蔵がある。主要部を本瓦葺とし、一部に桟瓦葺を用いた状態を示す表記である。

本瓦葺との見分け方

軒先を下から見上げるのが確実である。筒状に盛り上がった丸瓦が一定の間隔で並び、その間に平瓦が沈んで見えれば本瓦葺にあたる。凹凸が切れ目なく連続し、波が一定のうねりをつくっていれば桟瓦葺である。

記録には「鉄板葺一部桟瓦葺」「桟瓦葺一部銅板葺」のように複数の葺材が併記されることがある。増築や改修で部分的に葺き替えられた履歴を示すもので、建物全体が一種類の材で覆われているとは限らない。

表記は桟瓦葺と桟瓦葺きの両方が使われる。文化庁の記録では送り仮名のない桟瓦葺が用いられている。記事に書くときは記録の表記に合わせるのが確実である。

参考文献

文化庁 文化財の紹介 国宝・重要文化財(建造物)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/kokuho_bunkazai.html
国指定文化財等データベース(文化庁)小栗家住宅/木造、切妻造、桟瓦葺
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/00005405
国指定文化財等データベース(文化庁)角長(加納家住宅)/土蔵造、切妻造、本瓦葺一部桟瓦葺
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/00005476
国指定文化財等データベース(文化庁)国宝・重要文化財(建造物)分類別一覧
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/categorylist?register_id=102

最終更新: 2026.08.30